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【FP監修】ノンバンクの住宅ローンは銀行と何が違う?

監修者氏名 熊谷正和(くまがやまさかず)
保有資格 CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャルプランニング技能士
所属 ライフアート・コンサルティング株式会社
監修日 2022年12月06日

同じ民間の住宅ローンでありながら、銀行とノンバンクの住宅ローンには明確な違いがあります。それぞれにどのような違いがあるのか、わかりやすく説明します。

ノンバンクとは?

銀行は、顧客のお金を預かる預金業務、振込や手形発行を行う為替業務、資金を企業や個人に貸し付ける融資業務などさまざまな業務を行っています。一方のノンバンクは、銀行以外の金融機関のことで、銀行とは異なり融資業務だけに特化しているのが特徴です。
銀行とノンバンクでは、適用される法律も異なり、銀行や信用金庫・信用組合などは銀行法・信用金庫法など、ノンバンクは貸金業法という法律に則って業務を行っています。
一般的に、銀行の方が知名度も高く、ノンバンクに比べて信用性が高いイメージもあります。しかし、ノンバンクも法律を遵守した堅実な運営が行われており、銀行より優れた一面も持っています。

ノンバンクで住宅ローンを組むメリット

(1) 柔軟性の高い審査基準

ノンバンクの住宅ローンは、銀行などと比較して柔軟性の高い審査が行われます。職業や年齢、勤続年数などを理由に銀行の住宅ローン審査に落ちてしまった人でも、ノンバンクの住宅ローンなら審査に通過できる可能性があります。
特に、住宅ローンの審査に通りにくいと言われている自営業や個人事業主でも、住宅ローンを利用しやすいのが魅力です。

個人事業主は住宅ローンの審査に通りにくい?

また、銀行では住宅ローン審査通過の可能性が低い、自己破産や債務整理、クレジットカードや各種ローンで支払いの延滞や遅延などによって信用情報に問題があるケースでも、ノンバンクでは対応するケースも多くみられます。

(2)審査の早さ

審査期間で比較しても、銀行よりノンバンクの方が短く、審査スピードが速い傾向にあり、早いところでは申込みから融資まで数日で完了するケースもあります。

金利は申込みではなく融資の際のものが適用されます。審査スピードが早ければ、審査から融資実行の間で、思わぬ金利上昇によって想定よりも適用金利が高くなってしまうリスクを低くすることができます。
申込みから融資まで迅速に契約を進めたい人は、銀行の住宅ローンよりもノンバンクの住宅ローンを選択肢に入れておくのがよいでしょう。

(3)口座開設不要

銀行の住宅ローンは、原則としてその銀行の口座を開設して返済用口座にする必要があります。ネット銀行など、一部の銀行では口座開設不要で申込みから審査まで進めることができるところもありますが、結局は契約時に口座開設をしなければならないことがほとんどです。

一方、ノンバンクは預貯金の取扱業務は行っていないため口座自体が存在していません。したがって、銀行のように返済用口座の開設手続きをする手間を省くことができます。住宅ローンへ申込む際は、すでに所有している銀行口座を指定するだけで登録できます。

ノンバンクで住宅ローンを組むデメリット

メリットでもお伝えしたとおり、ノンバンクの住宅ローンも銀行系に負けず劣らず魅力的です。しかし、一方でノンバンクならではのデメリットもあります。それが金利の高さです。銀行の住宅ローン審査は保証会社を通して行われます。対して、ノンバンクは保証会社を通さずに自社で審査を行っています。
仮に住宅ローンの利用者が返済できなくなった場合、銀行は保証会社が利用者に代わって銀行に返済をします。そのため銀行は、貸し倒れによる影響を最小限に抑えることができます。しかし、保証会社を通さず自社で審査を行うノンバンクは、貸し倒れによる影響を大きく受けてしまうことになります。そうしたリスクに備えるため、あらかじめ金利を高めに設定する傾向にあるのです。

単純に金利の数字だけで判断してしまうと銀行の住宅ローンの方が優れているように感じられます。しかし、ノンバンクの住宅ローンにもさまざまなメリットがあることもまた先述のとおりです。金利だけで判断するのではなく、さまざまな角度からメリットとデメリットを比較しつつ住宅ローン選びを進めていくことが大切です。

ノンバンクの住宅ローンはどんな人におすすめ?

ノンバンクの住宅ローンをおすすめできるのは、銀行の住宅ローン審査通過に不安を感じている人や、銀行の住宅ローン審査に落ちてしまった人です。

とくに、自営業者や個人事業主は銀行の住宅ローン審査に通りにくい傾向にあるため、最初からノンバンクの住宅ローンを選択肢に加えておくとよいでしょう。

(1)自営業や個人事業主の方

自営業や個人事業主、契約社員・パートアルバイト・派遣社員などの方は住宅ローンの審査に通りにくいといわれますが、ノンバンクで取り扱う住宅ローンの中には自営業や個人事業主向けに設計されているタイプもあるなど、銀行に比べて申込みしやすい環境が整っています。

(2)銀行の住宅ローンの審査に落ちた人

もし、銀行の住宅ローン審査に落ちてしまって困っているなら、ノンバンクの住宅ローンも選択肢に加えましょう。保証会社を通さずに審査を行うノンバンクなら、独自の審査基準を設けて柔軟性の高い審査を行うため、銀行で審査に落ちてしまった人も十分に審査通過の可能性があります。

ノンバンクの取り扱う住宅ローン商品

(1)フラット35

ノンバンクで扱われる住宅ローンの多くは、金融機関と提携して住宅金融支援機構が提供している「フラット35」です。銀行でも取り扱いはありますが、金融機関によって金利や諸費用が異なります。
フラット35は金利が固定であるため、金利変動のリスクを懸念せずに返済できる点が特徴です。また、審査難易度が低いことでも知られており、銀行の住宅ローン審査に落ちてしまった人でも申込みしやすいのも魅力のひとつでしょう。

ただし、フラット35は購入する住宅が住宅金融支援機構の定める基準に適合していなければローンを組むことができないほか、フラット35の延滞者増加にともなう影響で、以前に比べてやや審査難易度が高くなっている傾向にあるといわれています。

(2)セゾンファンデックスの住宅ローン

セゾンファンデックスが提供する住宅ローンは、独自の審査基準を設けた住宅ローンです。

担保を重視した審査基準

セゾンファンデックスは、担保力を重視した独自の基準を行います。そのため、勤続年数が短い方、契約社員、派遣社員、自営業の方、永住権をお持ちでない外国人の方など、銀行の住宅ローンやフラット35の審査条件に合わなかった人でも申込みしやすいのが最大の強みです。
また延滞は解消しているものの、過去にクレジットカードの支払いが遅れ延滞履歴があり、住宅ローンの審査に落ちてしまった方も相談可能です。

ノンバンクのため金利はやや高めですが、まずはセゾンファンデックスで住宅ローンを組み、銀行の審査基準を満たせる属性になったら、あらためて銀行やフラット35で住宅ローンを借り換えるといった活用策もあります。それなら、金利が高いというデメリットを解消することが可能です。

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