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マンション管理費の値上げの原因は?管理費の値上げを回避する方法を解説
目次
マンションの所有者が毎月支払う管理費は、いつまでも同じ金額とは限りません。途中で見直される可能性があるため、マンション管理費の扱いについて理解を深めておくことが大切です。
この記事では、マンション管理費とはどんな費用か、値上がりする原因、値上げを回避する方法などについて解説します。マンション管理費について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
マンション管理費を変更するには総会決議が必要!
分譲マンションではあらかじめ毎月いくらの管理費を支払うのかが決められています。しかし、物価の上昇や管理業務の追加などによって初期に設定された金額では不足するという理由で、値上げが実施される場合があります。管理組合や管理の委託を受けている管理会社から値上げを要求されますが、必ず応じなくてはならないのでしょうか。
管理規約にマンション管理費の金額の記載がある場合は管理費の値上げは管理規約の変更に当たるので特別決議、記載がない場合は普通決議で決める必要があります。特別決議はマンションの所有者(区分所有者)の頭数および議決権の4分の3以上の賛成、普通決議は過半数の賛成が必要です。
反対することも可能ですが、資金不足で適切な管理が行わなくなるといったトラブルも考えられるため、決議には慎重な判断が求められます。
そもそもマンション管理費とは?
マンションを購入した場合、必ず毎月支払わなくてはならないマンション管理費ですが、そもそもマンション管理費とは何に使用されるどのような費用なのでしょうか。
マンション管理費の役割、相場、値上げされるタイミングについて詳しく見ていきましょう。
マンション管理費の役割
マンション管理費とは、マンションの運営で必要とされる日常的な維持・管理にかかる費用です。マンションに住んでいる方(マンションの所有者)には、マンションの適切な維持・管理を実施できるようにするためにマンション管理費の支払いが義務化されています。
マンションの管理費は、以下の5つの費用の支払いに充てられます。
- 事務管理業務費
- 管理員人件費
- 清掃業務費
- 建物・設備管理業務費
- 管理報酬
管理報酬とは、マンションの管理を管理会社に委託する場合に支払う報酬です。集められたマンション管理費の大半は管理報酬の支払いに充てられます。
マンション管理費の相場
国土交通省が公表した「マンション総合調査結果」では、1戸1か月当たりの管理費は15,956円が相場(使用料・専用使用料からの充当額を含む)となっています。
しかし、上記はあくまでも平均値です。住戸が多いマンションほど低く、少ないマンションほど高く設定されるといったように、マンションによって異なります。また、住戸が多い場合でもタワーマンションのように規模が大きく、特殊なマンションの場合は管理費が通常よりも高く設定される点に注意してください。
参照:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果(管理組合向け調査の結果)」
マンション管理費が値上げされるタイミング
マンション管理費が値上げされるのは何らかの理由から現在の設定金額ではマンションの日常的な維持・管理にかかる費用を補うことができなくなったタイミングです。
例えば、管理会社に委託する業務内容が変わった、人件費が上昇した、電気代が上昇した場合などには、初期の設定金額では不足します。
次のマンション管理費が値上がりする原因は維持・管理にかかる費用が不足する原因です。把握しておけばおおよその値上げされるタイミングを事前に予測できるでしょう。
マンション管理費が値上がりする原因
マンション管理費が値上がりする原因として、以下の5つが挙げられます。
- 初期の設定金額が低く管理費が不足した
- 管理コストが増えて費用が不足した
- 滞納者の増加による管理費用不足
- 電気代の値上がりにより管理費用が不足した
- 人件費の高騰による管理委託費用の増加
それぞれの原因を詳しく解説していきます。
初期の設定金額が低く管理費が不足した
分譲時に設定されているマンション管理費が適切な金額とは限りません。マンション管理費の設定が高い場合、買主の購入意欲が下がるという理由で、あえて低く設定しているマンションもあります。
しかし、そのようなマンションでは適切な設定金額ではないため、将来的に費用が不足する可能性が高く、費用不足が原因で値上げが実施されやすいので注意してください。
管理コストが増えて費用が不足した
管理コストが増えた場合、現在の設定金額では費用が不足します。例えば、マンションに植栽を植えた場合、水やりで水道代が上昇するほか、定期的な選定代が発生します。
また、管理会社による日常清掃だけでなく、特殊な機械を使用した清掃を定期的に実施する場合も現在の設定では費用が不足するため、値上がりが実施される可能性があるでしょう。
滞納者の増加による管理費用不足
滞納者が多い場合は管理費用が不足します。管理費用の金額は全てのマンションの入居者(所有者)が管理費を支払うことを前提として設定しています。
滞納者が少ない場合は問題ないかもしれませんが、滞納者が増加した場合は費用不足が深刻化する可能性があり、結果的に費用不足を値上げで補うことになるケースを想定しておかなくてはなりません。
電気代の値上がりにより管理費用が不足した
マンション管理費の設定は、設定当時の費用相場を想定しています。そのため、電気代が値上がりした場合は、現在の設定金額では不足する可能性があります。
特に築年数の経過した物件では、消費電力が多い白熱灯が使用されているケースが多いです。その場合は、電気代の値上がりの影響が大きく、管理費用の不足を理由に値上げが実施される可能性が高いので注意しましょう。
人件費の高騰による管理委託費用の増加
人件費の高騰によって管理委託費用が増加する可能性があります。管理員のいるマンションの場合は管理員人件費、管理会社に管理を委託している場合は管理会社の管理報酬が人件費上昇の影響を受けます。
最低賃金の引き上げや人材不足が原因による人件費が高騰する可能性は高く、それを理由に管理費が値上げされる可能性が高いという点に注意してください。
マンション管理費の値上げを回避する方法
マンション管理費の値上げは入居者(所有者)にとって大きな負担となる可能性があります。そこで、なるべく値上げを回避したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
マンション管理費の値上げを回避する方法として、以下の5つが挙げられます。
- 管理業務を見直す
- 管理業務を一部自主管理にする
- 管理会社を変更する
- 電力会社を変更する
- 空いているスペースを有効活用する
それぞれの方法について詳しく説明していきます。
管理業務を見直す
マンションの管理業務を見直すことによって管理費の値上げを回避できる可能性があります。例えば、建物の日常的な清掃頻度を毎日に設定している場合は、2日1回や3日に1回といったように減らせば支出を抑えることが可能です。また、管理会社経由で発注している業務を管理組合が直接発注すれば、管理会社による上乗せがなくなることによって費用負担を軽減できるでしょう。
管理業務を一部自主管理にする
全てを管理会社に委託している場合、一部自主管理に切り替えれば管理費の値上げを回避できる可能性があります。例えば、建物の日常的な清掃や植栽への水やりなどを管理会社に委託している場合、それらを入居者(所有者)で分担して行えば、管理会社に支払う費用を抑えることで値上げを回避できるでしょう。
管理会社を変更する
管理会社を変更することによっても値上げを回避できる可能性があります。管理会社によって管理員に支払う人件費や管理報酬の設定は異なります。現在支払っている管理員人件費や管理報酬が高額な場合は、管理会社を見直せば支出を減らすことによって費用負担を抑えられるでしょう。
電力会社を変更する
値上げを回避する方法として、電力会社を変更するのも有効です。電力会社によって電気料金の設定は異なります。特に太陽光発電の普及によって安い電力を提供する電力会社が増えています。電力会社を変更してランニングコストを抑えることができればマンション管理費の値上げを回避できるでしょう。
空いているスペースを有効活用する
上記は支出を減らすことで値上げを回避する方法でしたが、収入を管理費に充てて値上げを回避することもできます。例えば、空いている駐車場や駐輪場を外部に貸し出す、シェアサイクルのスペースとして貸し出すことで収入を得ることが可能です。空きスペースを有効活用し、得た収入を管理費に充てれば費用負担を抑えられるでしょう。
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マンション管理費等の支払いサポート|お家と土地のお困りごと相談室
おわりに
マンションは適切な維持・管理を行う必要があるため、それにかかる費用を管理費という形で徴収しています。そのため、マンションに住んでいる方(所有者)は管理費を毎月支払わなくてはなりません。
管理費はあらかじめ決まっていますが、管理内容の内容、人件費の上昇といった理由で引き上げられる場合があるため、将来的に費用負担が大きくなる可能性があるので注意が必要です。
値上げされそうな場合でも値上げを回避できる対策を取り入れれば費用負担を軽減できる可能性があります。それでも値上げを実施されて困った場合は、管理組合やセゾンファンデックスに相談し、状況の改善を図りましょう。