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マンション管理費が上がる理由は?管理会社との関係性や修繕積立金についても解説
目次
マンションを購入する場合は、毎月管理費や修繕積立金などの維持コストが発生します。マンション管理費はあらかじめ決められていますが、途中で値上がりすることもあるため、どのような仕組みなのか把握しておくことが大切です。
この記事では、マンション管理費と管理会社の関係性、相場、値上がりする理由、修繕積立金との関係性などについて解説します。マンション管理費について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
マンション管理費と管理会社の関係性
マンション管理費とは、マンションを運営するために必要となる日常的な維持・管理にかかる費用のことです。マンションに住んでいる方(所有者)は、必ず管理費を管理組合に支払わなくてはなりません。
マンションの管理費は以下の5つの費用の支払いに充てられます。
- 事務管理業務費
- 管理員人件費
- 清掃業務費
- 建物・設備管理業務費
- 管理報酬
管理会社は管理組合からマンションの維持・管理に関する業務の委託を受けて、マンションの管理費の一部から報酬が支払われます。
マンション管理費の相場
国土交通省が公表した5年に1回実施されている「マンション総合調査結果」によると、1戸1か月当たりの管理費は15,956円が相場(使用料・専用使用料からの充当額を含む)となっています。
上記はあくまでも平均値です。一般的に総戸数の多いマンションのほうが入居者の負担する管理費が低くなるケースが多いです。しかし、タワーマンションのように、総戸数が多くても規模が大きく特殊なマンションの場合は、管理費が高めに設定されているケースもあるので注意してください。
参照:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果(管理組合向け調査の結果)」
マンション管理費が値上がりする原因
購入時に設定されていたマンションの管理費がそのままとは限りません。値上がりする場合があるため、どのような理由で値上がりするのかを把握しておくことが大切です。
マンション管理費が値上がりする原因として、以下の5つが挙げられます。
- 初期の設定金額が低かったため費用が不足した
- 管理コストの増加により費用が不足した
- 滞納者が増えたことにより費用が不足した
- 電気代の値上げにより管理費用が不足した
- 人件費の高騰によって管理委託費用が増加した
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
初期の設定金額が低かったため費用が不足した
マンションを販売する際、管理費が高く設定されていると売れ行きに悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、わざと管理費を低く設定して売れやすくしている場合があるのです。
しかし、そのようなマンションでは、管理費が本来設定すべき金額よりも低いため、いずれは費用が不足します。不足分を補うために管理費の値上げが実施されるのです。
管理コストの増加により費用が不足した
管理会社に委託する管理内容が変化した場合、管理コストの増加により費用が不足する可能性があります。例えば、植栽を植えた場合は、水道の使用量の増加、剪定の依頼などで以前よりも管理コストが増加します。
管理人がいなかったマンションに管理人を配置する場合にも管理コストが増加することによって費用が不足し、管理費が値上がりする可能性があるので注意してください。
滞納者が増えたことにより費用が不足した
マンションに住んでいる方(所有者)は、管理費を必ず支払わなくてはなりません。しかし、中には管理費を滞納する方も一定数います。その場合、計画通りに管理費を確保できないため、費用が不足する可能性があります。
滞納者がマンションに住んでいる場合は、粘り強く督促して回収できれば値上がりを回避できるかもしれません。しかし、回収できなければ居住者全員で不足分を補わなくてはならないため、値上げに至ってしまうでしょう。
電気代の値上げにより管理費用が不足した
廊下や階段、エントランスなどのマンションの共用部分でかかった電気代は管理費から拠出します。そのため、電気代が値上がりした場合も、管理費用が不足して値上げが行われる可能性があります。
特に築年数の経過しているマンションの場合、電力の消費量が多い白熱灯が使用されているケースも少なくありません。その場合は、電気代の値上げの影響を大きく受ける可能性があるので注意してください。
人件費の高騰によって管理委託費用が増加した
人件費の上昇に伴い管理費用が値上げされる可能性があります。人件費の上昇の影響を受けるのは管理員人件費と管理報酬です。
最低賃金の引き上げや人材確保の観点で人件費が上昇傾向にあります。管理会社から管理員人件費と管理報酬の増額を依頼されて管理費の負担が値上げされる場合もあるので覚えておきましょう。
管理費だけでなく修繕積立金も値上がりする
マンションを購入した場合に支払うのは管理費だけではありません。マンションに住んでいる間(所有している間)は修繕積立金も毎月支払いますが、管理費の値上げと同様、修繕積立金も値上がりする場合があるので注意してください。
管理費と修繕積立金との違い、相場、上がるタイミング、値上がりによるトラブルと対処法などを詳しく解説してきます。
管理費と修繕積立金の違い
マンション管理費はマンションの日常的な維持・管理にかかる費用のことですが、修繕積立金は築年数の経過で建物の劣化が進行した場合にそれらを修繕するための費用です。
日常的な維持・管理に充てるものと将来的な修繕に必要な資金を確保しておくものという点で大きく異なります。
修繕積立金の相場
国土交通省の「マンション総合調査結果」によると、1戸1か月当たりの修繕積立金は11,243円が相場(使用料・専用使用料からの充当額を除く)となっています。
管理費のケースと同様、総戸数の多いマンションのほうが入居者の負担する修繕積立金が低くなるケースが多いですが、タワーマンションのような特殊なマンションの場合は、高めに設定されているケースもあるので注意しましょう。
参照:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果(管理組合向け調査の結果)」
修繕積立金が上がるタイミング
修繕積立金も管理費と同様に、設定金額から引き上げられる場合があります。修繕積立金が上がるタイミングとして、以下の2つが挙げられます。
- 計画にない修繕工事が実施される
- 物価が上昇した
マンションは長期修繕計画を作成し、どのくらいの費用がかかるか事前に予測し、修繕積立金の金額を設定しています。しかし、計画にない修繕工事が実施された場合や物価が上昇した場合は、予測よりも工事にかかる費用が増えるため、修繕積立金が上がる可能性があります。
また、マンションが段階増額積立方式を採用していた場合は注意が必要です。段階増額積立方式とは、最初の金額は低く設定されているものの、築年数の経過とともに修繕積立金の金額が引き上げられる方式です。この場合、築年数の経過とともに修繕積立金の金額が上がるということを覚えておきましょう。
修繕積立金の値上げで起こり得るトラブルと対処法
修繕積立金の値上げに応じられなければ支払いを滞納することになります。その場合、滞納期間によってはマンションを競売にかけられてしまう可能性があるので注意が必要です。
また、競売にかけられる前に売却しようと考えている方もいることでしょう。しかし、滞納している状況で売却する場合は、買主が滞納した修繕積立金を肩代わりすることになるため、売却が難しくなるかもしれません。
修繕積立金の支払いが困難な場合、状況が悪化する前にできる限り早く管理会社や管理組合に相談しましょう。
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おわりに
マンションを購入した場合、毎月管理費と修繕積立金を支払う必要があります。購入時に設定されていた設定金額から値上げされないと思っている方もいることでしょう。しかし、管理費・修繕積立金はともに値上げされる可能性があるので注意が必要です。
値上げが実施されて支払うことができずに滞納に至った場合、マンションを競売にかけられる、売却時に不利になるなどの問題が生じる可能性があります。
状況の悪化を回避するためにも、値上げで支払いが困難になった方は早めに管理会社や管理組合に相談しましょう。