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残置物処理とは?処分方法や費用相場、安く抑える方法をわかりやすく解説
前の不動産の所有者(入居者)が勝手に残していった家具や家電などを処分することを「残置物処理」と言います。残置物処理ではトラブルが発生することもあるため、正しい知識を身につけておくことが大切です。
この記事では、残置物処理とは何なのか、適切な処分方法、費用相場、費用を抑える方法などについて解説します。残置物処理について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
残置物処理とは?
残置物処理とは、前の不動産の所有者(入居者)が新しい所有者(入居者)の許可を得ず残していったエアコンや冷蔵庫、ベッドなどの家具・家電、衣類などを処分することです。
例えば、不動産の所有者が亡くなって家を相続した場合は家財がそのまま残っている、賃貸物件の入居者が退去時に引っ越し費用を少しでも抑えるために家財の一部を残していったなどのケースが挙げられます。
家の相続人や賃貸物件のオーナーまたは新しい借主の中には、残された家財の処分を検討している方も多いでしょう。しかし、正しい知識を身につけずに処分すると、後でトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
そもそも残置物とは?
残置物処理でのトラブルを回避するには、残された家財が残置物なのかどうかを見分けることが大切です。例えば、家の相続が発生した際、相続した家に家財が残っていた場合は遺産となります。遺産の所有権は原則相続人に移るため、相続人が処分する分には問題ありません。
一方、不動産の売主や賃貸物件の入居者が残した家財は残置物または不用品となります。残置物と不用品の違いは所有権の有無です。売主や入居者が「使わない場合は処分してください」といったように買主やオーナーまたは入居者に伝えている場合は、所有権を放棄していると考えられるので不用品に該当します。
しかし、何も告げずに残したまま去った場合は、所有権が元の所有者または入居者にあるため、残置物に該当します。
残置物は勝手に処分できない
家に残された家財が残置物に該当する場合、勝手に残置物を処分してはいけません。その理由は、残置物の所有権が元の所有者または入居者にあるからです。
もし、勝手に残置物を処分して、元の所有者や入居者が残置物を返してほしいと求められた場合は、現在の所有者や入居者はそのままの状態で引き渡さなくてはなりません。処分している場合は引き渡すことができないため、相手から損害賠償を請求される可能性があるのです。
相手が何も告げていない場合は、相手に確認してから処分しましょう。
残置物の適切な処分方法
残置物は単に残された家財という意味で使用されることも多く、遺産や不用品を含むケースも多いです。ここで紹介する残置物の適切な処分方法は、あくまでも処分しても問題ない場合の処分方法となります。
残置物を処理する際は、適切な処分方法を選択しなければトラブルに発展する可能性があるため、以下の処分方法を事前に確認しておくことが大切です。
- 自治体のごみ収集に出す
- 地域のゴミ処理施設にゴミを持ち込む
- リサイクルショップで売る
- 業者に依頼して処分する
それぞれの処分方法を詳しく見ていきましょう。
自治体のごみ収集に出す
各自治体は定期的にゴミを回収しています。家庭で発生した不燃ゴミ、可燃ゴミ、粗大ゴミといった各自治体が回収に対応しているゴミであれば、指定場所に出すことで回収してもらうことが可能です。
一部回収が有料な場合もありますが、基本的には無料なので残置物処理にかかる費用を抑えられる点がメリットです。一方で、自分で分別しなければならないので手間と時間がかかります。また、エアコンは取り外し工事が必要、冷蔵庫や洗濯機といった大型家電は搬出が大変というデメリットがあります。
そのため、残置物の量が少なく、大型家財が少ない方に向いているでしょう。
地域のゴミ処理施設にゴミを持ち込む
残置物を地域のゴミ処理施設に直接持ち込むことも可能です。残置物の量が多い場合、各自治体のゴミ収集に出すと近隣住民に迷惑がかかる、1つずつ有料の回収を依頼すると費用が高額になる場合があります。
ゴミ処理施設に直接持ち込むという方法であれば、迷惑をかけずにまとめてゴミを処分することが可能です。また、費用は重さに対して算出されるのが一般的なので、費用を抑えられる可能性がある点がメリットです。一方で、自分で持ち込む必要があるため、手間と時間がかかるというデメリットがあります。
そのため、残置物の量が多く、処分費用のかかるゴミが多い方に向いているでしょう。
リサイクルショップで売る
残置物の中にはリサイクルショップに売ることで現金化できるものもあります。通常、ゴミを処分する場合は無料で回収に対応しているもの以外は費用が発生します。しかし、リサイクルショップで売るという方法であれば、費用がかかるどころか、反対にお金をもらうことができるのです。
残置物を現金化できる点がメリットですが、何でも買い取ってもらえるわけではありません。対応していないものについては他の方法で処分しなければならない、リサイクルショップに持ち込む手間、業者が来てくれる場合はスケジュールの調整が必要などのように手間と時間がかかるという点がデメリットです。
そのため、現金化できそうな家財が多い方に向いているでしょう。
業者に依頼して処分する
専門の業者に残置物処理を依頼するのも選択肢の1つです。残置物処理を行うのが家庭ではなく事務所の場合は、自治体のゴミ収集に出すことができません。そのため、業者に依頼して残置物を処分してもらう必要があります。
自分で残置物を処分する際は分別する手間と時間がかかりますが、業者に依頼する場合は業者が分別してくれるので手間と時間を省くことができる点がメリットです。
ただし、業者に依頼する際は費用がかかります。残置物の買い取りにも応じている業者の場合、費用負担を抑えられる可能性がありますが、4つの方法の中では最も費用がかかるという点がデメリットです。
そのため、費用はかかるものの、残置物処理にかかる時間と手間を省きたい方に向いているでしょう。
残置物処理にかかる費用相場
間取り・広さ | 費用相場 |
1R・1K | 30,000~80,000円 |
1DK~1LDK | 50,000~200,000円 |
2DK~2LDK | 90,000~300,000円 |
3DK~3LDK | 150,000~500,000円 |
4DK以上 | 220,000円~ |
残置物処理を業者に依頼しようと考えている方の中には、どのくらいの費用がかかるのか気になっている方も多いでしょう。残置物処理にかかるおおよその費用は以下の通りです。
上記のように残置物処理にかかる費用は、部屋の間取りや広さによって変化します。その理由は、間取りや広さによって残置物の量が異なるためです。家の規模が大きいほど残置物の量が増えるので費用が高額になりますが、価格に影響を与えるのは規模だけではありません。
処分に追加で費用が発生する残置物の有無、買取品の有無、繁忙期かどうか、建物の状況、オプションの有無などで価格は変化します。例えば、繁忙期の場合は作業員の確保が難しくなるので費用が高額になる、建物にエレベーターが設置されていない、駐車スペースまでが遠い場合なども費用が高額になります。
また、室内清掃といったオプションをつける場合はさらに費用が高額になるということを理解しておきましょう。
残置物処理の費用を抑える2つの方法
残置物処理を業者に依頼する際、少しでも費用を抑えたいと考えている方も多いでしょう。以下の2つの方法であれば費用を抑えられる可能性があります。
- 自分たちで処分する
- 業者に委託する場合は複数社比較する
それぞれの方法を詳しく解説していきます。
自分たちで処分する
「残置物処理にかかる費用相場」の項目で触れた通り、基本的には残置物の量によって費用は変化します。自分たちで残置物を処分し、業者が処分する残置物の量を減らすことで費用を抑えることができるのです。
例えば、自治体のゴミ収集で出せるものや買い取ってもらえるものなどは自分たちで処分して、買い取ってもらえなかった大型家財を業者に任せるといった方法があります。
そうすれば、大型家財を処分する手間と費用負担を軽減しつつ、買取額を支払いに充てることで全体的な費用負担を軽減できるでしょう。
業者に委託する場合は複数社比較する
業者に委託する場合は複数社で相見積もりをとることも重要です。その理由は、業者ごとに見積もり結果が大きく異なる可能性があるためです。
見積もり結果が安い業者に委託することによって残置物処分にかかる費用を抑えられます。ただし、見積もり結果だけで比較することはおすすめしません。悪質な業者の中には、低い見積もりを提示して、作業終了後に追加料金を請求する業者もいるためです。
トラブルを回避するためには、実績や口コミ、一般廃棄物収集運搬許可証や古物商許可証などの必要資格の保有の有無なども確認し、信頼できる業者に委託することが大切です。
相続不動産の残置物に関する相談は「セゾンファンデックス」へ
残置物処理を進めるにあたって、何をどうすればいいかわからず、悩んでいる方も多いことでしょう。そこでおすすめするのがセゾンファンデックスの「相続不動産の分割・売却サポート」です。
相続不動産の分割・売却サポートでは、残置物処理にお悩みの方に、売却後そのまま住み続ける、ローンで代償金を支払う、売却・活用などの解決策を提案しています。
また、物件が遠方にある、相続紛争が発生した、残置物の扱いに困っているなどのさまざまな悩みにも対応しているため、ぜひ一度ご相談ください。
おわりに
残置物は一般的に不動産の元の所有者や入居者が何も告げず残していった家財を指します。所有権が元の所有者や入居者にあり、勝手に処分した場合は後でトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
許可を得た場合は不用品となるため、自由に処分することが可能です。処分方法にはいくつか種類がありますが、選んだ処分方法によってメリット・デメリットがあるため、比較検討し、自分に合った方法を選択しましょう。
業者に委託するという方法だと、費用はかかるものの、残置物処理にかかる手間と時間を省けます。相見積もりをとって費用を比較検討するほか、実績や口コミ、必要資格の保有の有無などを確認し、信頼できる業者に委託しましょう。