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【FP監修】終活とは?終活の準備、何をする?
監修者氏名 | 水上克朗(みずかみかつろう) |
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保有資格 | CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャルプランニング技能士 |
所属 | ファイナンシャルプランナー水上克朗事務所 |
監修日 | 2022年12月06日 |
「終活を始めようと思うけれど、何から始めればいいのかわからない」という方のために。終活はモノや資産を整理することだけでなく、ライフスタイルを見つめ直しこの先の人生を実り多いものにするための活動です。セカンドステージをいきいきと安心して過ごすために終活を始めてみませんか?
終活の意味は?何のためにやる?
近年の少子高齢化時代においては周囲に迷惑をかけずに人生を終わるための準備をする「終活」が広がりを見せています。
「終活」とは、「人生の終わりのための活動」の略です。
人生の総括を行い、人生の最期を迎えるにあたっていろいろな準備を行うことを意味する言葉です。
具体的には、身の回りの整理、財産の相続を円滑に進めるための計画、葬儀や墓の準備などが主に行われています。
一方で「人生のエンディングを考えることを通じて”自分”を見つめ、”今”をよりよく、自分らしく生きる」ために終活を行うことが重要視されています。
終活は自分の死後、周りの人に迷惑をかけないようにという気持ちで取り組まれる方も多いのですが、自分が健やかな気持ちで過ごすため、自分が充実した人生を送るための「終活」こそが必要です。
高齢者の誰にでもある心配事、例えば介護のこと、相続のこと、保険のこと、お墓のこと、お葬式のことなどを事前に考え準備して老後生活の不安を解消し、いきいきとしたセカンドステージを送ることこそが「終活」の真の目的と言えます。そのためには、老後資金を確保しておくことも必要です。
いきいきとしたセカンドステージを送るために老後資金を確保した例はこちら→
家族の負担を軽くするための終活準備とは
終活を行う理由として多いのは「家族に迷惑をかけたくないから」という理由です。
「残された家族の負担を軽くしてあげたい」、「いざという時に家族が困らないようにしたい」という方が多くいらっしゃいます。
「立つ鳥跡を濁さず」という日本人ならではの価値観・美意識が感じられます。
家族に迷惑をかけないためにすべきことは以下の3つの項目に分けられます。
いずれも家族に伝わるように情報を整理して明確にし、どのようにしてほしいかという希望を示しておくことが重要です。
残された家族の負担がどうしたら軽くなるかを考えながら整理をしていきましょう。
市販されているエンディングノートなどを使い情報を集約しておくと良いでしょう。
終活の真の目的である「健やかな気持ちで自分らしく生きる」ためにも、自分自身が安心して過ごすことが大事です。
そのためにも身辺整理や自分が亡くなった際のさまざまな準備に取り組んでおきましょう。
❶身の回りのモノの整理
実際に家族が亡くなった経験のある人が、家族の死後困ったこととしてあげているのが「遺品整理」です。
最近では遺族での整理をあきらめ、専門業者に依頼する方も多くなっています。
本人にとっては大切なものでも片付ける側にとっては使えない物、役立たない物が多く大変な思いをして片付けることになります。
今のうちにできるだけ物を減らす「断捨離」をするとともに、残っているものについても、処理や処分が必要なものについては、どのように処分するかを明確にしておくと、家族の負担は軽くなるでしょう。
忘れてならないのは「デジタル終活」です。
耳慣れない言葉かもしれませんが、パソコンやスマートフォンなどに保存している各種データ、例えばアドレス帳に登録された個人情報、写真や動画、ネットバンク・オンライントレード・クレジットカードなどの取引情報など、デジタルデータにはさまざまなものがあります。
このデータを生前に整理することも忘れてはいけません。
終活を考えているシニアの方でも、今はほとんどがデジタル機器を所有する時代ですが、データの生前整理の実施率はまだまだ低いと言えます。
特にデジタルデータのうち、ご家族に残したいデータがある方はデータを集約しその在りかを伝えておくことが大切です。また人には見られたくないデータは自ら処分するあるいは処理や処分をすることを明確にしておくとよいでしょう。
❷財産の整理や相続の準備
実際の困りごととして多いのが「入っていた保険が分からない」「印鑑や通帳がみつからない」「暗証番号やID・パスワードがわからない」など必要な情報が不足しているケースです。
そのほか死後はさまざまな手続きが必要です。健康保険や年金の資格喪失届や生命保険の申請、クレジットカードなどの解約、公共料金の名義変更など情報や書面が見つからないと困ることになります。
家探しをしなければならないという事態に陥らないよう整理をしてその在りかをきちんと伝えておく、もしくは記しておきましょう。
相続でもめないよう遺言書を作成しておくことも場合によっては必要です。
❸葬儀や墓などの準備
人生の終わり方を自分で決めたいという方は、葬儀や死後の希望を伝えておく、あるいは書き記しておきましょう。
最近は家族に負担をかけないため、古くからの「家族墓」を希望する方が減り、「自然葬」「合同墓」「納骨堂」を希望される方も増えてきています。
「銀行預金が凍結されて葬儀代を工面するのが大変だった」という困りごとも多いので、当座の出費に備え現金を準備しておくことも必要かもしれません。
また世代を越えて受け継がれる遺影は、納得いくものを準備するという方も増えているようです。
●エンディングノートに書いておく内容
家族の負担を軽くするための終活を進めていくうえで便利なのが「エンディングノート」です。
エンディングノートは、家族などに伝えておきたい情報や希望を書き記しておくノートです。
遺言書と違って法的な効力はなく、あくまでも家族が手続きを進めるうえで参考となるものです。
書き記す代表的な項目を以下に挙げます。
(1)自分のこと
・本籍
・生年月日
・健康保険証、年金手帳・証書、保険証券、パスポート、個人番号カードといった重要な書類などの保管場所
・家系図 など
(2)交友関係
・葬儀のときに連絡してほしい親戚や友人の連絡先 など
(3)身の回りに関すること
・家族・親戚・友人へ遺すもの・データ
・処分するもの・データ など
(4)資産に関すること
・預貯金(銀行名・支店名・口座番号)
・不動産、有価証券
・人から借りているお金
・人に貸しているお金 など
(5)葬儀・お墓に関すること
・菩提寺
・葬儀の形式と予算
・喪主をお願いする人
・希望する埋葬方法や墓地
・予算 など
(6)医療や介護のこと
・かかりつけの医者
・延命措置や終末期医療に関する希望 など
自分の人生を豊かにすごすための終活準備とは
ご家族への配慮も大切な終活でありますが、最も大切なことは「これからの人生をよりよく生きること」です。
「人生でまだやり残したことがある」という方は、「やり残したことや叶わなかった夢を書き出す」ことから始めてみてはいかがでしょうか。
実際にやり残したこととして挙がるのが「旅行」です。
『世界一周』『海外旅行』『夫婦で旅行』などは、現役時代なかなか実現しなかった方も多いかと思います。
また、「子どもや孫とともに過ごすこと」に幸せを感じる方も多いようです。
終活は悲しい言葉という印象をお持ちの方も多いようですが、限られた時間を前向きに生きるためのポジティブな活動と捉えてください。
「終活」に手を付ける際は、周りに迷惑をかけないようにしておく事も大事ですが、他者を慮るあまり終活がストレスになってしまっては意味がありません。
それよりもセカンドライフで生きる活力を見つけることに時間を割いていただきたく思います。
しかし、病気やけがなどで寝たきりになった場合など、老後生活には不安は尽きません。
体が動けるうちに予防策を打っておくこと、介護、延命措置、終末期医療について考えておくことも欠かせません。
終活に必要な老後資金の準備方法とは
終活とは最後まで自分らしい人生を送るための準備のことです。
モノや資産を整理したり介護施設や葬儀・お墓の準備をすることだけが終活ではありません。
一方で、病気の心配・生活費の心配があると、好きな事だけしていることに不安を覚えることもあるでしょう。
人生のセカンドステージをよりいきいきと安心して過ごすには老後資金を確保しておくことが重要です。
ここでは不動産の活用で老後資金を準備することができる方法をご紹介します。
■セゾンのリースバックを活用する
老後に安心してゆとりのある生活をおくるため、セゾンのリースバックを活用してみてはいかがでしょうか。セゾンのリースバックを活用することで、老後資金の準備が可能です。
●リースバックとは?
リースバックとは、ご自宅を売却して現金化、売却後も住み続けることができるサービスです。
住み慣れた自宅で生活しながら、まとまった資金を調達することが可能です。
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