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【税理士監修】相続税が払えず困ったときの5つの対処方法を解説

監修者氏名 吉田雅一(よしだまさかず)
保有資格 税理士
所属 L&Bヨシダ税理士法人
監修日 2023年03月30日

相続税の支払いができないとどうなってしまうのかご存じですか?期限までに相続税が払えないとペナルティが課せされます。相続税が払えずお困りの方のために対処法をご紹介します。

相続税が支払えないケースとは?

相続財産に不動産が含まれることが原因で相続税が支払えないケースはかなり多く、ここではその代表的なケースをご紹介します。

(1)相続財産に占める不動産の割合が多い

相続税は、相続税額が高額である場合であっても、原則として現金で一括納付する必要があります。
相続財産のなかで不動産の占める割合が多い場合には、相続人が手持ちの預貯金等の金融資産から相続税を支払わなければいけませんが、相続税の方が上回れば支払えなくなってしまいます。

(2)相続不動産の売却ができない

「相続不動産の売却代金から相続税を支払えばいいから大丈夫」と、お考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、相続不動産の売却はある程度の期間がかかるため簡単に売却することができない一方で、タイムリミットがあり、そう長く時間をかけられません。
なぜなら相続から10カ月以内に売却手続きを完了させ、相続税の申告・納税まで済ませなくてはならないためです。
買い手が現れない、希望条件での売却ができないなどという理由でなかなか進まず、結局相続税納税資金の用意ができなくなるのです。

相続税を払えないとどうなる?

相続税の申告と納税が期限までにできなかった場合には、ペナルティとして以下のような加算税や延滞税が課されます。

無申告加算税

正当な理由なく、期限までに申告・納税を行わなかった場合に課税されます。
・税務調査の事前通知前に、自主的に申告した場合には5%
・税務調査の事前通知後に、申告した場合は10%〜20%

延滞税

相続税を期限後に納付した場合に、納付期限の翌日から納付した日までの日数に応じ、利息に相当する金額が課税されます。
申告期限までに申告・納税どちらも行っていない場合には、無申告加算税と延滞税の両方が課されます。
納付期限の翌日から2か月間:2.5%
納付期限の翌日から2か月を経過した日以降:8.8%
※銀行の新規の短期貸出約定平均金利により変動する。上記は令和3年1月1日〜令和3年12月31日中に適用される割合。

相続税を払わないまま滞納し続けた場合、国税庁により財産を差し押さえられます。
差し押さえられる財産は主に不動産ですが、場合によっては所有する動産なども差し押さえられ、競売にかけられることもあります。

また、相続税滞納は本人だけの問題ではありません。
「連帯納付義務」といって、同じ被相続人から遺産相続した相続人全員に連帯して相続税を納める義務が生じます。
その義務の範囲は、取得した遺産から納付済みの相続税を控除した額までです。
したがって相続人のなかで滞納者がいると、上限はあるものの他の相続人が肩代わりし、迷惑を被ることになるのです。

相続税が払えないときの5つの対処方法

家族や他の相続人に迷惑をかけないためにも、相続財産の内訳を把握し、相続税の申告・納税を計画的に行いたいところではありますが、どうしても現金一括で払えそうもない方のために、対処法をご紹介します。

(1)延納

事情により現金で一括納付が難しい場合には、一定の要件を満たせば5年〜20年の期間で分割払いする「延納」の利用も可能です。
相続税が高額になった場合、分割払いであれば経済的な負担が減ります。
ただし、延納期間中には利息に当たる利子税がかかることに注意が必要です。

(2)物納

現金での一括納付もできず、延納を選択しても相続税の納付ができない場合に限り、財産そのものを相続税として納める方法として「物納」があります。

ただし、物納は一般的な評価方法である時価ではなく相続税で算出した評価額になるため、売却するよりも低い金額で処分することになるため、注意が必要です。

(3)相続放棄

相続は必ずしなければならないわけではなく、相続に関する権利の一切を放棄する「相続放棄」を選択することも可能です。

相続放棄のメリット

相続する財産には、現金のようにプラスのものだけでなく借金のようにマイナスの財産もあり、相続をするということは、プラスとマイナス両方の財産を引き継ぐということです。もしマイナスの財産が多ければ相続放棄も検討すべき方法のひとつでしょう。
相続放棄をすれば、相続税の支払いに悩む必要はありません。

相続放棄のデメリット

一度相続放棄の手続きをすると撤回できない点やプラスの財産含めて一切相続できない点などのデメリットがあるため、慎重な検討が必要です。

(4)相続不動産の売却を前提に、つなぎ資金調達

不動産の売却は思うように進むとは限りませんが、なかなか売れない不動産を強引に売却することはおすすめできません。
期限に焦り強引に進めれば、不動産売買の価格交渉において不利な立場になるため、足元をみられ希望価格を下回る金額で売却せざるを得ず損をしたり、条件面で譲歩して不満の残る取引になったり可能性が高いです。

そのような場合に活用できるのが、不動産売却前提ローンです。

○不動産売却前提ローンとは

所有する売却予定の不動産を担保に資金調達し、不動産の売却代金で返済をするローンのことです。
所有不動産の売却前に資金を調達できるので相続税の支払いについて心配する必要もなく、所有不動産の売却を急ぐ必要はありません。
毎月の返済は利息分のみのため負担は軽く、不動産の売却代金で返済ができます。
一連の相続手続きを終わらせた後に売却活動に専念することで、希望条件で売却できる可能性も高まるはずです。

(5)相続不動産を売却し資金調達しつつ、不動産を利用し続ける

例えば、同居していた親が亡くなり実家を相続した方のように、「売却して納税資金を調達したい、でもこのまま利用し続けたい」、こういったご希望をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
そんなときには、セゾンのリースバックも解決手段のひとつです。

○セゾンのリースバックとは

お客様の大切なご自宅をセゾンファンデックスが買い取り、お客様は賃貸として住み続けていただけます。
セゾンファンデックスが買主となり、直接お客様のご自宅(不動産)を購入いたします。
調達した資金は、使途が自由なため相続税納税資金にもご利用いただけます。

最大のメリットは、自宅を売却してまとまった資金を調達し、売却後も退去せずそのまま住み続けることができることです。
※戸建てだけでなく、マンションも対象です。

所有者がセゾンファンデックスとなるため、固定資産税の支払いがなくなります。
マンションの場合は管理費・修繕積立金の支払いもなくなります。
売却した自宅は、将来的に再度購入することも可能です。

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