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マンション投資を途中でやめたいと思う理由|対策ややめるタイミングを解説
目次
投資マンションを運用している方の中には、途中でやめたいと考えている方もいることでしょう。
赤字の場合は、継続することで状況が悪化する可能性があるので適切な判断をすることが大切です。
この記事では、マンション投資を途中でやめたいと思う理由、やめずに済む対策、途中でやめるにはどうするのか、ベストなタイミングや注意点などを解説します。マンション投資を途中でやめたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
マンション投資を途中でやめたいと思う理由
投資マンションを運用している方の中には、さまざまな理由でやめたいと考えている方も少なくありません。理由によってはやめる以外の選択肢があるため、どのような理由でやめたいと考えているのかをまずは明確にすることが大切です。
マンション投資を途中でやめたいと思う主な理由は以下の通りです。
- 空室が続いている
- 想定外の出費が多い
- 家賃の滞納や住民トラブルなどの問題が多い
- 利回りが悪く、資金を回収できていない
- 確定申告を手間に感じている
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
空室が続いている
空室が続いているということは、想定通りの収入が得られていない状況です。例えば、空室率が20%程度の場合、家賃収入が2割減少することになり、大きな赤字経営に陥る可能性があります。
この場合は、自己資金で補填が必要になるでしょう。赤字を自己資金で補うことによる精神的な負担から途中でやめるという選択をする方も一定数います。
想定外の出費が多い
空室率が低い状況であったとしても、想定外の出費が多いとキャッシュフローが悪化します。例えば、想定外の出費には、急な設備の故障による修繕費、退去が続いたことによる原状回復費用やハウスクリーニング費用などがあります。
出費はある程度予測できるものですが、突発的な支出は予測できるものではありません。想定外の出費が続いた場合、赤字を自己資金で補うことによる精神的な負担から途中でやめたいと考える方も少なくありません。
家賃の滞納や住民トラブルなどの問題が多い
投資マンションの運営では、部屋が埋まっているから安心というわけではありません。部屋が埋まっていても家賃の滞納や住民トラブルといった問題が多発している場合、精神的な負担が大きくなります。
家賃の滞納を理由に入居者を追い出したいと思っても、軽度の滞納の場合は入居者の借りる権利が優先されるため、追い出すことができません。予定された収入が得られないため、キャッシュフローが悪化するでしょう。
また、住民トラブルは空室増加の原因となります。滞納や入居者トラブルへの対応に追われた結果、精神的な負担から途中でやめるという結論に至ってしまうのです。
利回りが悪く、資金を回収できていない
利回りとは、購入価格に対してどのくらいの家賃収入を得られるか数値化したものです。例えば、利回りが10%の場合、単純計算で10年間運用すれば資金を回収できることになりますが、利回りが3%程度では40年近くかかることになります。
利回りが想定を下回ると、長期間にわたって資金回収ができず、投資意欲を失った結果、やめるという結論に至る方も少なくありません。
確定申告を手間に感じている
会社員の場合、確定申告の必要がない方は会社の年末調整だけで納税や還付の手続きを済ませることが可能です。しかし、投資マンションを運営している方は不動産所得が生じているため、毎年確定申告を行わなくてはなりません。
確定申告とは、毎年1月1日~12月31日までの所得を翌年2月16日~3月15日までに申請し、納税または還付の手続きを行うことです。
確定申告に慣れていない方は、書類の準備や手続きの手間などに負担を感じ、途中で不動産投資をやめてしまう方も一定数います。
マンション投資が苦しい状況でできる対策
キャッシュフローの悪化によって投資マンションの運営を途中でやめようとしている方は、以下の対策を講じることによって、状況の改善を図ることができるかもしれません。
- 空室対策を行う
- 管理会社を変更する
- 借り換えや繰り上げ返済ができないかローンを見直す
それぞれの対策を詳しく解説していきます。
空室対策を行う
空室対策をした場合は、空室が埋まることによってキャッシュフローの改善が期待できます。空室対策としては以下のような方法が考えられます。
1.家賃の引下げ
a.近隣相場を参考に、適正な家賃水準に見直す
b.一定期間、割引家賃を設定するなどの対応が効果的
2.敷金・礼金の減額・無料化
a.敷金や礼金を減額または無料化することで、新規入居の障壁を下げる
b.一時的な収入減少を許容しつつ、新しい入居者を確保する
3.ペット可への変更
a.ペット可物件への変更によって、入居希望者の幅が広がる
b.ペット飼育時の注意点などのルール設定が重要
4.内覧会の開催
a.物件の魅力を直接訴求できる機会として、内覧会を定期的に開催する
b.SNSなどを活用して、潜在的な入居希望者に情報発信する
これらの対策を組み合わせて実施することで、空室率の改善が期待できます。物件の特性や立地条件に合わせて、最適な対策を検討することが重要です。
管理会社を変更する
もし、現在の管理会社に何らかの不満を抱いている方は、管理実績や委託費などを総合的に踏まえながら管理会社の変更を検討すると良いでしょう。管理会社を変更する際の検討ポイントは以下のようなことが考えられます。
1.管理業務の実績と満足度
a.これまでの管理実績を確認し、空室対策や家賃回収の実績を評価する
b.現在のオーナーの満足度も確認し、課題となっている点を洗い出す
2.管理手数料の水準
a.手数料率が高すぎないか、同業他社と比較検討する
b.できるだけ手数料負担の軽減が望ましい
3.空室対策やトラブル対応の体制
a.迅速な空室対策や、家賃滞納・トラブルへの対応力を評価する
b.オーナーのニーズに合った管理体制かどうかを確認する
こうした点を総合的に勘案し、管理業務の改善が期待できる管理会社に変更することで、キャッシュフローの改善が期待できます。
借り換えや繰り上げ返済ができないかローンを見直す
ローンの返済に負担を感じている場合は、ローンの見直しが有効です。ローンの見直しとしては以下のような方法が考えられます。
1.借り換えによる金利引下げ
a.現在のローン金利より低い金利のローンに借り換えることで、返済負担を軽減する
b.借り換え時の手数料などを考慮し、トータルコストの削減が可能か検討する
2.返済期間の延長
a.返済期間を長期化することで、月々の返済額を抑えることができる
b.ただし、総返済額が増加する点に注意が必要
3.繰り上げ返済
a.余剰資金があれば、ローンの残債を繰り上げて返済する
b.利息負担を抑えることができ、早期の完済が期待できる
これらのローン見直し策を検討し、自身の財務状況に合わせて最適な方法を選択することで、返済負担の軽減が期待できます。
ただし、借り換えは手数料が発生するため、総合的に得をしているのかどうか判断する必要があります。また、借り換えで返済期間を長くする場合、毎月の返済負担を軽減できるものの、利息による負担が大きくなるので注意が必要です。
投資マンションを途中でやめるには
投資マンションの運営を途中でやめるには、まず投資マンションの売却活動を開始する必要があります。具体的な流れは以下のとおりです。
1.不動産会社に物件の査定を依頼する
a.複数の不動産会社に査定を依頼し、適正な売却価格を把握する
2.売却媒介契約を締結する
a.査定結果を踏まえ、売却を代行してくれる不動産会社と媒介契約を結ぶ
3.売買契約の締結
a.買い手が見つかった場合は売買契約を締結する
b.契約時には物件の引き渡し日や決済日などを取り決める
4.ローンの完済と抵当権の抹消
a.売却代金から不動産投資ローンの残債を完済する
b.物件に設定されていた抵当権を抹消する
5.売却益の確定申告
a.売却によって利益が発生した場合は、確定申告を行い、譲渡所得税を納税する
このようなステップを踏まえて、投資マンションの売却を進めていくことが重要です。
マンション投資をやめるベストなタイミングは?
マンション投資を途中でやめるのにベストなタイミングとして、以下の3つが挙げられます。
- 目標収益を達成したとき
- 投資の際に組んだローンを完済したとき
- ローンの残債よりも売却額の方が高く、利益が残せるとき
それぞれのタイミングについて詳しく説明していきます。
目標収益を達成したとき
投資マンションの運営を開始する際は、子どもの教育費〇万円、老後の生活費〇万円を稼ぎたいといったように明確な目標を立てて開始する方が多いことでしょう。
目標収益を達成したタイミングは投資の目的を達成できているため、途中でやめるのに最適なタイミングと言えます。購入価格、収益、売却価格を踏まえ、目標収益を達成している場合はやめるのも選択肢の1つです。
投資の際に組んだローンを完済したとき
投資の際に組んだローンを完済したタイミングを途中で投資をやめるタイミングとする方も少なくありません。その理由は、投資の際に組んだローンを完済したということはその後に得られる収益が全て利益となり、運用結果が明確だからです。
売却代金から諸経費、頭金を引いた残りは全て利益となるため、目標収益を特に定めていない方は投資の際に組んだローンを完済したタイミングをやめるタイミングとするのも良いでしょう。
ローンの残債よりも売却額の方が高く、利益が残せるとき
ローンの残債よりも売却額の方が高く、利益が残せるときも途中でやめるのに最適なタイミングの1つです。その理由は、利益が確定しており、少しでも投資によって資産を増やすことができているためです。
赤字で自己資金の拠出が続いている場合は利益が残せるタイミングまで待つ必要はありません。待つことで自己資金を大幅に減らすことになりかねないため、その場合は利益が出ていない状況でも早期に撤退することをおすすめします。
マンション投資をやめる際の注意点
マンション投資をやめる際は、以下の3つの点に注意が必要です。
- 投資マンションを売却する際に費用がかかる
- ローンが残っている場合、売却時に完済する必要がある
- 所有期間が5年以下の場合は税率の軽減措置に注意
それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
投資マンションを売却する際に費用がかかる
投資マンションを売却する際は、以下のような諸費用がかかります。
- 仲介手数料
- 印紙代
- 抵当権抹消費用
- 一括返済手数料
諸費用がいくらかかるかは状況によって異なりますが、売却価格の5%程度と言われています。諸費用を考慮しないまま売却を進めようとすると、諸費用を引くと目標収益を達成できていなかった、残債を売却代金で補いきれなかったといったトラブルに発展する可能性があるので注意してください。
ローンが残っている場合、売却時に完済する必要がある
不動産投資ローンの残債がある場合、完済しなければ投資マンションを売却できません。その理由は、完済しなければ投資マンションに設定されている抵当権を抹消できないためです。
売却代金で残債を完済できるのか、完済できない場合は自己資金で補えるのか確認してから売却に進みましょう。
所有期間が5年以下の場合は税率の軽減措置に注意
投資マンションを売却して利益が発生した場合は、利益に対して譲渡所得税という税金が課されます。譲渡所得税の税率は投資マンションの所有期間によって以下のように異なります。
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下):39.63%
- 長期譲渡所得(所有期間5年超):20.315%
5年を超えるかどうかによって税率が約2倍異なるため、こだわりがないのであれば5年を超えてから売却しましょう。
おわりに
投資マンションの運営をしている方の中には、運営がうまくいかないのでやめたいと考えている方もいることでしょう。ただし、投資マンションの運営を途中でやめる理由の中には対応することで改善が見られるものもあるため、まずは自身の理由を明確にし、改善を図ることをおすすめします。
対応してみたものの、改善が見られない場合はいよいよやめる方向で進めることになります。失敗しないためにも、最適なタイミング、注意点などを確認してから行動に移しましょう。
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