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【事業者向け】不動産担保ローンは自宅を担保に借りられる?
不動産を担保に借入れできる「不動産担保ローン」は、自宅を担保にできるのかと悩んでいる法人や個人事業主の方も多いでしょう。そこで本記事では、事業者の方に向けて、自宅を担保にして不動産担保ローンを利用する際の注意点を解説します。本記事を読めば、不動産担保ローンのメリット・デメリットがわかり、自宅を担保にするリスクを理解できるでしょう。
目次
不動産担保ローンは自宅を担保に借りられる?
結論から伝えると、法人や個人事業主の方は自宅を担保に不動産担保ローンを借りられます。しかし、自宅を担保にすることで万が一のリスクが大きくなるため、「総量規制」についても理解しておきましょう。
1-1.不動産担保ローンで自宅を担保にした場合「総量規制」の対象になる
本来、不動産担保ローンは「総量規制」の対象外ですが、自宅を担保にした場合は対象になります。
総量規制とは、2010年6月に貸金業法の改正によって制定され、貸金業者に対して利用者の年収の3分の1を超える貸付を規制するものです。利用者の返済能力を超えた借入れや、貸金業者の過度な貸付を防ぐことが目的としています。
複数の貸金業者から借入れをしている場合、総量規制によって借入額の合計が年収の3分の1を超えてはいけません。例えば、年収600万円の方がひとつの貸金業者から200万円までお金を借りている場合、他の貸金業者で追加の借入れはできません。
貸金業者とは、消費者金融やクレジットカード会社などを指します。銀行や信用金庫は、貸金業者に含まれないため、総量規制の対象外です。
生計の維持に必要なものを担保にする場合は、総量規制の対象です。すなわち、自宅を担保にした不動産担保ローンは、総量規制の対象になります。
ちなみに、総量規制は以下のような貸付では除外されます。
- 住宅ローン
- 不動産の購入や建設費、リフォームが目的の貸付
- 不動産担保ローン(自宅以外を担保にした場合)
- マイカーローン
- 高額療養費の貸付
住宅ローンは、自宅を担保にして数百万円〜数千万円程度借りることになりますが、総量規制で年収の3分の1以内に限定してしまうと、多くの方がローンを組めず自宅を購入できなくなるため、除外されています。
1-2. 法人や個人事業主は総量規制の対象外となる
総量規制は個人向けの貸付が対象となるため、法人は対象外です。
個人事業主は総量規制の対象ですが、事業計画などにもとづき、返済能力があると判断された場合は、例外的に年収の3分の1を超えて借入れできます。
したがって、法人や返済能力があると判断された個人事業主は、自宅を担保にして不動産担保ローンを借りられます。
不動産担保ローンとは?
そもそも不動産担保ローンとは、土地・建物・マンションなどの不動産を担保にして融資を受けられる金融商品です。不動産を担保にすることで、まとまった資金を調達できますが、返済が滞った際のリスクも高くなるため注意しましょう。
本章では、不動産担保ローンのメリット・デメリットを解説します。
不動産担保ローンでお金を借りるメリット
不動産担保ローンを利用するメリットとしては、以下のことが挙げられます。
(1)金利が低い
不動産を担保に借り入れるため、無担保型のローンと比べ、低金利での借入れが可能です。
低金利で借入れられるため、利息負担が少なくなり、同じ額を借りた場合の最終的な総返済額を抑えることができます。
(2)融資金額が大きい
融資限度額は、申込者本人の返済能力だけでなく、担保として提供している不動産の担保価値によって設定されます。
そのため、担保型のローンと比較すると融資限度額が大きくなる可能性が高く、まとまった資金を調達できます。
(3)返済期間が長い
不動産担保ローンは返済期間を長めに設定している商品が多く、25年程度に設定することもできます。
返済期間を長期に設定することで、毎月の返済額を抑えることができ、無理のない返済計画の実現につながります。
ただし、返済期間が長いということは、その分利息負担額が大きくなるため、余裕がある時には繰り上げ返済を活用するなど、早期返済に向けた努力も忘れないようにしましょう。
不動産担保ローンでお金を借りるデメリット
不動産担保ローンでお金を借りるデメリットとしては、以下のことが挙げられます。
(1)借入れの際に手数料が発生する
無担保型のローンは原則として借入れの際に手数料は発生しません。
一方、不動産担保ローンの場合、ローン契約に関する事務手数料や、契約書締結にかかる印紙代、さらに、担保となる不動産に抵当権を設定するための登記にかかる登録免許税などがかかります。
金融機関によっては、担保となる不動産の担保価値を調べるための不動産鑑定費用が発生するケースもあります。
(2)融資までに日数がかかる
カードローンをはじめとする無担保型のローンでは、即日融資が可能なものが多くあり、スピーディな融資を強みとしています。
反対に、不動産担保ローンの場合、担保となる不動産の評価を調べるため、審査に数日程度かかります。不動産担保ローンをご利用するにあたって、申込みから融資実行までは1週間以上かかることを理解しておきましょう。
(3)担保として提供した不動産を失う可能性がある
返済途中に何らかの理由で返済不能の状態になった際には、金融機関は担保として提供された不動産を競売にかけ、現金化して融資額の回収に充てます。そのため、担保として提供した不動産を失うことになります。仮に担保として提供した不動産が自宅だった場合は、自宅から退去しなければなりません。
不動産担保ローンの審査基準とは?
ここでは不動産担保ローンの審査基準についてご説明します。
不動産をお持ちで、不動産担保ローンの審査に不安を抱えている事業者様はぜひご参考になさってください。
(1)返済能力
金融機関は融資したお金を返済してもらえるかできるかどうかを判断するため、申込者の返済能力を審査します。
返済能力は、売上に対する返済額の比率が高く、返済が始まってから延滞することがないかという観点で審査します。
・事業の安定性
長期的に返済を行う不動産担保ローンですから、申込者に継続的に返済ができる能力がある点が審査されます。
したがって、安定性は営業年数や事業規模、事業内容、過去数年の決算などをもとに多面的に判断されます。
事業歴が浅い場合は安定性が低いと判断される傾向にありますが、今後の事業計画をもとに将来性があると判断されると審査に通過する可能性もあります。
担当者に将来性があると判断してもらえるような、きちんとした根拠をもとにした分かりやすい事業計画を用意することが審査通過におけるポイントになります。
・他の金融機関等からの借入状況
他の金融機関から借入状況も重要な審査基準です。他の金融機関から借入れしているか、もししているなら何社から借り、その借入金額はいくらなのかということも調べられます。
申込時点で借入れしている金融機関の数が多く、その金額が大きいほど審査通過は難しくなります。
売上に対し、あまりにも借入額が多い事業者へ追加で融資を行うと返済不能に陥ってしまうリスクが高いため、売上と借入れのバランスも重要なポイントです。
また過去に返済の遅延や滞納などの返済事故を起こしていたり、未納の税金があったりする場合にも、マイナスの評価をされてしまいます。
(2)不動産の担保価値
融資額を決定づけるものが、この不動産の担保価値です。
不動産の価値が高いほど高額の融資を受けやすくなる可能性がありますし、逆に担保として価値がなければ融資が受けられません。
ただし、金融機関によって土地や建物の評価基準や評価方法は異なるため、同じ不動産であっても評価額が異なります。
不動産担保ローンを借りられる金融機関とは?
(1)銀行
このあと紹介するノンバンクと比較すると、銀行が設定する不動産担保ローンの金利は比較的低く設定されています。
融資金額が大きいほど金利の負担は増すため、低金利の商品の方がいいでしょう。
そのかわりに、銀行の審査はノンバンクに比べて厳しくなります。
担保とする不動産の所在エリアが限定されるなど、申込者や担保不動産に対して様々な条件が設定されており、こうした条件を満たすことができなければ、融資を受けることは困難です。
また不動産担保ローンは資金使途の自由度が高いというのがメリットのひとつと紹介しましたが、銀行の提供する商品では、資金使途が限定されて事業資金や納税資金などには使えないことがあります。
(2)ノンバンク(貸金業者)
ノンバンクでは銀行に比べると比較的条件が低く設定されています。
したがって審査に通りやすい傾向にあり、審査のハードルは低めです。
また申込みから融資実行までの日数が短いというのもメリットです。急な資金調達が必要になった場合でも、間に合う可能性はあります。
しかし当然ですが、銀行に比べて借入金利が高めに設定されているというデメリットがあります。
銀行とノンバンクを合わせれば、不動産担保ローンを提供している金融機関は数多く存在します。
それぞれの商品特徴を理解し、自分にあった商品を選ぶことが重要です。
不動産担保ローンに関するお悩みはセゾンファンデックスへ
セゾンファンデックスの事業者向け不動産担保ローンでは不動産担保力を重視して審査しているため、銀行などの金融機関で借入れを断られた場合でも審査に通過できる可能性があります。
また、最短で3営業日後に審査結果を回答いたしますので、資金調達を急いでいる方にもおすすめです。
担保とする不動産は、ご自身が所有するものはもちろん、ご家族や親族が所有している不動産でも提供可能です。
住宅ローンが残っていても、第2順位以下の抵当権を設定して融資した実績や、先順位借り換えを含めて追加融資を行った実績などが多数あります。現在の住宅ローン残高と担保物件の評価額を元に総合的に審査し、融資額は不動産の担保価値と返済能力によって決定いたしますので、まずはご相談ください。