リバースモーゲージとは?
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金融機関

近年、持ち家比率が高い世代の高齢化が顕著になっています。こうしたお客様のニーズにぴったりのサービスである、リバースモーゲージの仕組みと特徴について解説します。

目次

  1. 1. リバースモーゲージのニーズ
  2. 2. リバースモーゲージとは?リースバックとは?
  3. 3. リバースモーゲージはこんな人におすすめ
  4. 4. リバースモーゲージの保証提携について

1.リバースモーゲージのニーズ

高齢化が進展する日本では、同時に各世代が分離したライフスタイルへの移行も進んでいます。そのためシニア世代は、みずから長生きへの備えを計画しなければなりません。このような場合にまず検討するのは、住宅のような資産を有効に活用することです。リバースモーゲージに魅力を感じるのは、こうしたお客様です。

1-1.大半が住宅・宅地資産を保有するシニア

退職世代を含めたシニア層が保有する資産は、その約3分の2が住宅です。これらの資産を流動化することは、政府も積極的に推進しています。リバースモーゲージを活用して、より豊かな老後を確保することや、住替えを促進することなどは今後重要なテーマになるでしょう

政府は既存住宅の流通や、リフォーム市場の活性化も促す方針であり、その具体的な手段としてリバースモーゲージを視野に入れています。また、資産価値を適正に評価するための環境整備も進める予定で、シニア層への金融サービスを拡大するには、これからが大きなチャンスになるかもしれません。

1-2.リバースモーゲージ取扱銀行数の拡大

金融庁の「高齢社会における金融サービスのあり方について」(平成30年)によると、シニア層の資産運用にいち早く注目してリバースモーゲージの取り扱いを始めた金融機関は、2005年時点ではわずかに2行でした。それが年を追うごとに増加して、2017年には47行にまで拡大しています。
金融庁 高齢社会における金融サービスのあり方について(平成30年)

1-3.リバースモーゲージ貸出実績の拡大

一方、住宅金融支援機構の調査結果によれば、リバースモーゲージ市場と貸出実績も年々拡大していることがわかります。調査に回答した金融機関の合計貸出実績は、2013年には約456億円(20行合計)だったものが、2020年には約1,577億円(80行合計)と3倍以上に増加しました。


調査名
2021年度 住宅ローン貸出動向調査
調査対象
:住宅ローンを取扱う金融機関
調査方法
:質問票によるアンケート調査(郵便または電子メールにより質問票を送付・回収)。
回答が得られた機関からの回答(総回答数 N=272)を集計。
調査期間
:2021年8月~9月

2.リバースモーゲージとは?リースバックとは?

リバースモーゲージとはどのようなサービスか、ここからはその具体的な仕組みについて解説します。また、共通する点が多いリースバックとの違いもみてみましょう。

2-1.リバースモーゲージとは

「モーゲージ」とは「担保・抵当」を意味する英語で、名前のとおりリバースモーゲージとは、持ち家を担保にして金融機関から融資を受けるサービスです。

仕組み

リバースモーゲージを利用するお客様の多くは、一定の価値が認められる持ち家に住むシニア層です。特に、住宅ローンなどの借入が残っていたり、老後の生活資金に不安を抱えていたりする場合に、融資方法の一つとしてリバースモーゲージが利用されます。

リバースモーゲージでは、基本的に持ち家である自宅を担保にして、お客様はその評価額に合った融資を受けます。自宅を売却するのではなく、あくまでも融資として現金を受取ることがポイントです。一括して融資を受取るタイプの他に、融資枠を設定して毎月一定額もしくは必要な金額を随時受取るタイプなど、金融機関により異なるサービスがあります。

返済は月々融資額の利息分だけを支払い、元金は契約者が亡くなったあとに一括返済する方法が一般的ですが、月々の支払いがなく契約満了時に元金と利息とを合算して返済するというサービスもあります。それぞれのサービスで、融資極度額が異なります。

メリット・デメリット

お客様は、なるべくメリットが多いサービスを望みます。ここで、リバースモーゲージのメリットとデメリットをまとめておきましょう。

まず主なメリットは以下のとおりです。


  • ・自宅に住み続けながら、まとまった資金を手にすることができる
  • ・毎月の支払いが利息だけなので、老後の生活への負担が小さい
  • ・融資極度額の範囲内で追加の資金を得ることもできる
  • ・元金の返済は自宅の売却でも可能
  • ・契約者が亡くなった場合、配偶者が契約を引き継ぐことで、老後の生活リスクを回避できる
  • ・退職金や預貯金などを保ったまま、老後に余裕のある生活をおくることができる

一方で、お客様にとっての主なデメリットは以下のとおりです。


  • ・長期的な契約になった場合、追加融資により借入額が大きくなるケースがある
  • ・不動産物件の価値が下落すると、融資極度額などの条件が見直されるケースがある
  • ・変動金利を採用しているため、金利変動によるリスクが生じるケースがある

2-3.リバースモーゲージとリースバックの違い

お客様にとってはどちらも自宅に住み続けながら資金を受け取れるサービスですが、リバースモーゲージとは融資の一種であり、リースバックとは資産運用法の一種であるという違いがあります。その他の詳細な違いは、以下の表で確認してください。


比較項目 リースバック リバースモーゲージ
仕組み リースバック 自宅を売却し、売却代金を一括で受け取る。
売却と同時に賃貸借契約を締結し、毎月家賃を支払う。
リバースモーゲージ 不動産(自宅)を担保にし、融資枠内で融資を受ける。
現金受け取り方法 リースバック 一括 リバースモーゲージ 融資枠内で、一括・融資枠内で毎月一定額・随時受け取りなど
転居の必要 リースバック なし リバースモーゲージ なし
対象物件 リースバック 一戸建て・マンション・事務所・店舗・工場など リバースモーゲージ 一戸建て・マンション
所有権(名義) リースバック 買取会社 リバースモーゲージ 移転なし
資金使途 リースバック 自由 リバースモーゲージ 制限あり(事業・投資資金は不可)
年齢 リースバック 制限なし リバースモーゲージ 制限あり(下限)
収入 リースバック 制限なし リバースモーゲージ 制限あり(年金などの収入)
固定資産税の納税義務 リースバック なし リバースモーゲージ あり
家族の同居 リースバック 可能 リバースモーゲージ 原則配偶者のみ
担保の設定 リースバック 不要 リバースモーゲージ 必要
住宅ローン(抵当権) リースバック 抵当権設定ありでも利用可

※売買契約時抹消

リバースモーゲージ 抵当権設定では利用不可
担保設定 リースバック 不要 リバースモーゲージ 必要
月々の支払い リースバック 家賃 リバースモーゲージ 利息のみ支払い
契約終了後 リースバック 再度購入可能 リバースモーゲージ 契約終了後(死亡後)に売却または相続人による一括返済

3.リバースモーゲージはこんな人におすすめ

リバースモーゲージでは、自宅を売却する必要はありません。長年住んだ自宅を手放したくないが、老後の資金に不安があるというシニア層に特におすすめの融資方法です。

3-1.リバースモーゲージの利用者の資金使途とは?

  1. (1)リフォーム資金(全体の85.7%)
  2. (2)自宅の建設・購入資金(82.1%)
  3. (3)既存住宅ローン借換資金(81.0%)
  4. (4)住み替える先のサービス付き高齢者向け住宅の入居一時金用資金(78.6%)
  5. (5)子世帯等が居住する住宅の取得資金借入用資金(66.7%)
  6. (6)生活資金(38.1%)

このように資金使途で上位を占めたのは、現在住んでいる自宅もしくは住み替え先に関わることでした。ここからみえてくるお客様の心理は、現在の自宅に長く住み続けたいということと、老後の生活を安定させたいということが考えられます。

3-2.リバースモーゲージがおすすめな人とは?

結果的にリバースモーゲージが向いているお客様とは、現在の資産と年金だけでは今後の生活に不安があるため、まとまった資金を手に入れた上で、自宅に住み続けたいという人だといえるでしょう。

所有権(名義)の変更は避けたいため、売却ではなく融資を選択する。そして自宅をリフォームして資産価値を保ちながらそのまま自宅に継続して住みたい、というお客様にとっては、リバースモーゲージこそが最適なサービスなのではないでしょうか。

4.リバースモーゲージの保証提携について

セゾンファンデックスでは、リバースモーゲージを主力商品として活用したいという金融機関を、保証業務提携という形でサポートしています。お客様の多様なニーズへの対応と、競合他社との差別化を図る上で、リバースモーゲージの保証提携は力強い支えになるでしょう。

セゾンファンデックスの強みは、保証残高1,000億円超の実績が証明しています。また担当者は豊富な経験と高いスキルを備えており、年間で約30,000案件の審査実績 をあげています。案件の相談から本審査まで一人の専任担当者制で、きめ細かなコンサルティングを心がけているため、これからリバースモーゲージの導入を検討する金融機関にとって、強い味方になることは間違いありません。

またセゾンファンデックスでは、リースバック提携も行っております。

リバースモーゲージの成約にならなかったとしても、リースバックの方では利用可能なケースもあります。したがって、もし両方のサービスが提供できれば、シニア顧客のために自宅を活用した資金調達方法の幅を広げ、お客様サポートにつなげることができます。

シニア顧客の資産活用をサポートするサービス提供と、投信・保険に次ぐ新たな手数料収入の確保のために、ぜひセゾンファンデックスをご活用ください。

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