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【FP監修】老後資金がない親の面倒が心配… 子どもができる負担の少ないサポート方法とは

監修者氏名 水上克朗(みずかみかつろう)
保有資格 CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャルプランニング技能士
所属 ファイナンシャルプランナー水上克朗事務所
監修日 2023年01月19日

同居しているならともかく、高齢の親が単身または夫婦二人で離れて暮らしている場合、心配になるのは「経済的に問題はないのか?」という点です。一般的には老後の年収は年金がメインとなり、現役時代ほどの収入は得られません。もし老後資金として蓄えたお金がなければ、生活が苦しくなる恐れもあります。そこで今回は、親に老後資金がないとき、どのようにサポートすればよいのかについて考えていきたいと思います。

年金だけでゆとりある生活はできる?

65歳以上になると、多くの人が若い頃から勤めていた仕事先を引退します。その後も必要に応じて、シニア向けの仕事を見つけて元気なうちは働く方も多いですが、体調が悪化したりすると、仕事から離れざるを得ません。

自営業の場合では、年齢に関係なく元気であれば仕事を続けるケースも多いかと思われます。しかし、高齢になってくるとやはり体調面も考えて少しずつ仕事量を減らしていき、やがて引退するという方も多いかと思われます。
仕事を引退して無職となった場合、基本的に収入の柱となるのは年金です。公的年金以外にも個人年金保険や企業年金などに加入していれば、それなりに収入はアップします。しかしながら現役時代に比べると、収入減は避けられないでしょう。

総務省統計局が発表している「家計調査年報」によると、2021年時点における65歳以上の夫婦のみの無職世帯においては、月当たりの平均の実収入は23万6,576円、可処分所得は20万5,911円、消費支出は22万4,436円となっています。実収入・可処分所得は、夫婦の年金を合わせての金額です。

夫婦一人あたりの収入でみるとおおむね11〜12万円ですから、やはり仕事をしていた時代に比べると収入は減っていると予想されます。

また、公益財団法人生命保険文化センターが行っている「生活保障に関する調査」によると、全世代を対象に老後の最低日常生活費を尋ねるアンケート調査をしたところ(2022年調査、n=4,844)、平均で23.2万円との結果が出ています。さらに、「経済的にゆとりのある老後生活を送るための費用として、老後の最低日常生活費以外に必要な金額」を尋ねたところ、2022年調査だと平均で14.8万円でした。

これらの調査結果をまとめると、高齢夫婦の月当たりの実収入が平均で約23万6,576円。そして国民一般的には、老後に夫婦の最低日常生活費として必要な金額は22.1万円、経済的にゆとりのある生活がしたければ、さらに14.8万円を加えた37.9万円が必要との見方が持たれているようです。

高齢夫婦の実収入と比較すると、老後に必要と考えられる最低日常生活費の水準は満たしているものの、経済的にゆとりのある生活をするのは難しい、というのが実態といえます。また、以上の統計結果はあくまで平均値なので、個別にみればさらに収入状況が苦しい世帯(夫婦ともに国民年金、あるいは無年金のケースなど)も多いと推測されます。

親の経済状況が心配。まずは収支を確認!

自分の親の経済状況が心配なら、まずは収支状況がどうなっているのかをチェックする必要があります。
親に対して面と向かって収入額などを尋ねるのは、気が引ける部分もあるでしょう。親が答えることを嫌がったり、気を遣ったりしないように、日常会話の中でそれとなく聞くとよいかもしれません。

(1)収入

基礎年金または厚生年金を受け取っている場合、日本年金機構から「年金振込通知書」が自宅に郵送されているので、そこに書かれている金額をチェックすることで収入額を確認できます。

これら通知書は電子版の「ねんきん定期便」の形でも内容を受け取ることが可能です。郵便の受け取りが面倒で、自宅でのインターネット環境が整っているなら、こちらを利用してもよいでしょう。

また、自営業者が加入対象となる国民年金基金や、保険会社が扱っている個人年金、現役時代に積み立てた企業年金なども受け取っている場合は、そちらも確認対象です。
年金以外にも、株の配当金や不動産収入など別途収入源がある場合は、そちらもチェックしましょう。

(2)支出(収入でまかなえるか)

支出額については家計簿をつけていないと正確な金額はわかりませんが、通帳の金額の推移などで傾向としての金額を捉えることはできるでしょう。

支出額をチェックする上で重要となるのは、固定費の金額といわれています。
食費や日用品費、被服費などの「変動費」については、節約・倹約で支出額をある程度抑えられます。しかし、毎月必ず定額で発生する水道光熱費や住居費、保険料の支払いといった「固定費」については、必要に応じて契約内容を見直すなどの対応を取ることが必要です。家・マンションを保有している場合は、ローンの支払いがどうなっているのかを確認しましょう。

(3)これから増える支出

親が高齢になってくると、今後必要になってくると覚悟するべきなのが医療費と介護費への支出です。

厚生労働省が発表している「令和元度生涯医療費」によると、必要となる医療費は平均で65〜69歳だと227万円、70〜74歳だと270万円、75〜79歳だと308万円、80〜84歳だと313万円、85〜89歳だと263万円となっています。

実際には公的医療保険により、この金額のうち70歳未満だと3割、70〜74歳だと2割(現役世代並みに所得がある方は3割)、75歳以上だと1割(一定以上の所得がある方は2割、現役世代並みに所得がある方は3割)の自己負担です。ですので、高齢世代だと医療費の自己負担額は年平均で6〜17万円ほどになると予想されます。

一方、介護費用については医療費よりも高額になることが多いようです。
公益財団法人生命保険文化センターの調査(令和3年度生命保険に関する全国実態調査)によると、過去3年間のうちに介護経験がある人に対して、どのくらい介護費用がかかったのかを尋ねたところ、介護をはじめる際に必要な費用は平均74万円、毎月かかる費用は平均8.3万円との結果が出ています。

日常生活費以外に介護費用だけで月8万円もかかるとなると、年金収入だけで対応するのは難しくなるでしょう。介護期間が延びればそれだけ支出総額は増えるので、若いうちから介護に備えて老後資金を蓄えておくことも必要になってきます。

しかし、親がそのような老後資金の準備を若い頃からしているとは限りません。もし親が要介護状態となった場合、子どもの側から経済的なサポートが必要となるケースは多いと考えられます。

老後資金がない親のサポート方法とは?

では、親の老後資金の蓄えが不十分な場合、子どもとしてどのようなサポート方法があるでしょうか。ここでは、金銭的に余裕がある場合、時間に余裕がある場合、どちらもない場合に分けて考えていきます。

(1)金銭的に余裕がある場合

子どもの側に金銭的な余裕がある場合は、同居して生活・介護に必要なサポートを全面的に行うという方法が取れるでしょう。ただし、同居の場合、金銭面だけでなく家事や介護の負担が増えるので、その点は家族と話し合って決める必要もあります。
離れて暮らしている場合は、毎月仕送りをするのが典型的な支援方法です。ただし、具体的にどの程度の仕送りを行うかは、親と子ども双方の経済状況を踏まえて決めることが大事です。

(2)時間に余裕がある場合

子どもの側に時間的な余裕がある場合、親が医療サービスや介護サービスを利用する際の制度活用のサポートを行うのも1つの方法です。

とくに介護サービスについては、要介護認定の申請やケアマネジャーへの対応、訪問介護やデイサービスの利用手続きなど、制度上対応すべき内容が多いです。老親だけで対応するのは大変な部分があるため、子どもの側でできるだけサポートしてあげることをおすすめします。

医療費・介護費がかかる場合は、高額介護合算療養費制度の利用も可能です。これは、医療保険と介護保険による自己負担額の合算額が高額となった場合に、申請により負担額の一部が返還されるという制度です。便利な制度ですが、申請制であるため、何もしないでいると高い負担額を払い続けることになります。こちらも親だけでは対応できない場合もあるため、子どもとして制度利用のサポートをするとよいでしょう。

(3)金銭的にも時間的にも難しい場合

金銭的にも時間的にも、親の支援をする余裕がないという方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合、もし親に持ち家があるなら、セゾンのリースバックを活用するのも1つの方法です。

●リースバックとは?

リースバックとは、ご自宅を売却して現金化、売却後も住み続けることができるサービスです。住み慣れた自宅で生活しながら、まとまった資金を調達することが可能です。
セゾンのリースバックでは、お客様の大切なご自宅をセゾンファンデックスが買い取り、お客様は賃貸として退去せず住み続けていただけます。

・売買代金は一括でお支払い
まとまった資金が受け取れ、そのお使いみちは自由です。日常生活の費用や医療費・介護費用などに充てることが可能です。

シニアにおすすめ!セゾンのリースバックのメリット

・固定資産税の支払い不要
リースバックを利用すると所有者がセゾンファンデックスになるため、固定資産税を支払う必要がなくなります。マンションであれば管理費や修繕積立金などを負担する必要がありません。

・ご契約者様限定サービス
セコムやALSOKなどの見守りサービスを無料でつけることができます。
セコムでは、握るだけで通報できる救急通報ボタンの提供、生活動線にセンサーを設置して一定時間動きがなければ確認する安否見守り、防犯センサーや火災センサーの設置などのサービスを受けることができます。
ALSOKでは緊急通報や救急情報の登録、健康相談などができる専用コントローラーの設置、異常があればガードマンが駆けつける「生活リズムセンサー」の設置、火災監視センサーの設置、などのサービスを提供しています。高齢の親と離れて暮らしている場合、これらサービスを活用すると子どもとして安心できます。

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