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「年金が足りない」どうする?老後に備えるための対処法や知っておきたいこと

年金だけでは老後の生活費が足りないと聞いて何をどうするべきなのか悩んでいる方も多いでしょう。老後を安心して迎えるには、不足分の生活費をしっかり確保しておくことが大切です。この記事では、平均的な年金はいくらか、資金確保のために行いたいこと、お金の管理方法や間に合わない場合の対処法などを解説します。

平均的な年金の金額とは?

年金だけでは老後資金の不足により「老後貧乏になるのでは?」と不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。「心配しすぎ」という声も聞かれますが、実態はどうなのか気になるところです。

年金制度は、制定当時の平均寿命をもとにしており、日本人の平均寿命の延びによって老後の期間が長くなることまでは想定されていません。あくまでも老後の生活費を補助するものなので、生活費が足りないという事態に陥らないように、老後に向けてしっかり備えておくことが大切です。

年金の実態について詳しく見ていきましょう。

国民年金と厚生年金

日本の公的年金は国民年金と厚生年金に分類されます。国民年金とは、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての方が加入するもの、厚生年金とは、会社に勤務する会社員などが加入するものです。国民年金の保険料は原則定額、厚生年金の保険料は収入に応じて定率となっています。

日本年金機構によると、令和5年4月分からの年金額の例(67歳以下の場合)は以下の通りです。(月額)

  • 国民年金(老齢基礎年金の満額):66,250円
  • 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):224,482円

参照:総務省統計局「家計調査報告」

実際の生活費はいくらくらいかかる?

総務省統計局が2023年3月に発表した家計調査報告によると、世帯主が65歳以上の2人以上世帯の消費支出額は249,501円です。
参照:日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
参照:総務省統計局「家計調査報告」

消費支出額から算出した不足額は以下の通りです。

  • 国民年金(老齢基礎年金の満額×2人分):−117,001円
  • 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):−25,019円

国民年金・厚生年金ともに、年金だけでは老後の生活費が不足する結果となりました。

ゆとりある生活をしようと思うといくら必要?

生命保険文化センターが発表した2022年度の「生活保障に関する調査」を見てみると、夫婦2人が老後生活を送るうえで、必要と考える最低日常生活費とゆとりある老後生活費は以下の結果となりました。

  • 最低日常生活費:232,000円
  • ゆとりある老後生活費:379,000円

参照:生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」

ゆとりある老後生活費を基準に算出した不足額は、以下の通りです。

  • 国民年金(老齢基礎年金の満額×2人分):−246,500円
  • 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):−154,518円

ゆとりある老後生活を送るためには、年金だけでは大幅に生活費が不足することが分かります。

<生活面>老後資金確保のために行いたいこと

老後を迎えるにあたって、十分な備えができていない場合は、金銭面で心もとない老後生活を送ることになるでしょう。そのような事態を避けるためにも、老後資金をしっかり確保しておくことが大切です。

老後資金確保のために行っておくべきこととして、以下の3つが挙げられます。

  • 節約を意識する
  • 退職後も働く
  • 健康を意識する

それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

節約を意識する

老後を迎えた時点で十分な貯金を確保しておけば安心です。そこで重要なのが節約です。

特に大きな効果が期待できるのが毎月発生する固定費の削減です。例えば、電気代、ガス代、水道代、スマホ代、サブスクの契約料、通信費、住居費、保険料などが挙げられます。

会社を変更する、料金プラン・契約内容を見直す、利用頻度の低いサブスクを解約するといった取り組みをすれば、無駄な支出を減らすことによって貯金に回せるお金を増やせるでしょう。

退職後も働く

十分な貯金ができておらず年金が足りない場合、退職後に働くことも選択肢の1つです。退職後も働いて、給与を生活費に充てるようにすれば不足分をカバーできます。

また、老齢基礎年金は年金の繰下げ受給が可能です。65歳で年金を受け取らず、66歳以後75歳までの間で繰下げて受給した場合、繰下げた期間に応じて年金額が増額されます。

年金の受給額を増やすことで老後の生活費の不足分を補いたい方は、退職後に働いて得た給与を生活費に充てて年金の繰下げ受給を選択するのも有効です。

健康を意識する

無駄な支出を増やさないという点では、健康管理も重要です。何らかの病気になったり、介護が必要になったりした場合は、医療費や介護費などの支出が上乗せされるため、家計に大きな影響を与えます。

健康でいることができれば、これらの支出を省けます。暴飲暴食、喫煙・飲酒、運動不足の傾向がある方は、適度な運動、禁煙・禁酒、バランスのとれた食生活を心がけるようにすれば、結果的に老後資金確保につながるでしょう。

<資産運用面>老後資金確保のためのお金の管理

節約だけでは、老後に必要な資金を確保するには不十分です。老後を安心して迎えるには、今ある資産を運用して効率良く増やすことも大切です。

代表的な資産運用として、以下の5つが挙げられます。

  • 貯蓄する
  • 株式や投資信託などの金融商品に投資する
  • 個人年金保険を利用する
  • iDeCoを利用する
  • NISAを利用する

それぞれについて詳しく説明していきます。

貯蓄する

資産運用の基本となるのが貯蓄です。現金のまま手元に置いていてもお金は増えません。しかし、金融機関にお金を預ける貯蓄であれば、預けたお金に利息が付与されてお金が増えます。

また、1つの金融機関につき1,000万円までは元本が保証されるので元本割れの心配がありません。確実に資産を増やしたい方に向いていますが、利息は微々たるものでなかなかお金が増えない点に注意してください。

株式や投資信託などの金融資産に投資する

株式投資は、証券取引所に上場している株式を取引することで資産を増やす資産運用の手段です。株式投資では売却益だけでなく、配当金や株主優待なども得られます。
投資信託は、資産運用のプロが投資家から資金を預かりさまざまな金融商品に分散投資している商品です。株式投資と同様に、売却益や配当金に似た分配金が得られます。

投資でリスクを抑えるためには、ひとつの金融商品に資産を集中せず、分散投資するのが基本です。
株式投資で分散投資をしようとすると多額の資金や知識が必要で、それらが不十分だと資産を大きく減らすリスクを伴います。一方で、投資信託は資産運用のプロが代わりに分散投資して運用してくれるので、リスクを抑えながら投資ができます。

どちらが自分に合うのかを熟考してから選択しましょう。

個人年金保険を利用する

個人年金保険とは、万が一の事態に備えられる保険と年金がセットになったものです。もし、保険の契約中に保険金給付に該当する事由が発生した場合は、保険金を受け取れます。
何事もなく満期を迎えた場合でも、一定金額を数年間年金形式で受け取ることができます。

満期を迎えた場合は、国民年金や厚生年金に上乗せして個人年金保険の給付を受け取れるため、老後資金が手厚くなるでしょう。

iDeCoを利用する

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、確定拠出年金法に基づく私的年金制度のひとつです。定期預金や保険商品、投資信託などの商品を積み立てたお金で運用し、60歳以降に年金として受け取れます。

掛金が全額所得控除になる、運用で得た収益が非課税になる、年金方式で受け取る場合は公的年金等控除、一時金方式で受け取る場合は退職所得控除の対象になるといったように、税制上の優遇が大きいです。税負担を抑えながら老後に備えられるでしょう。

NISAを利用する

NISAとは、少額投資非課税制度という少額投資に対する税制優遇のことです。投資上限額内であれば、株式や投資信託などへの投資で得られた利益が非課税となります。

ただし、複数ある投資用口座で運用している場合、一方の利益を一方の損失で相殺する損益通算ができません。損失を3年間繰り越して、その間の利益と相殺して税負担を軽減できる繰越控除の適用もないため、人によっては損をする可能性がある点に注意が必要です。

お金の準備が間に合わなかった!どうしたらいい?

年金だけでは生活費が足りないという状況に気づいたのが遅く、急いで準備してもお金の準備が間に合わないことに焦っている方も多いのではないでしょうか。

老後のお金がなく、支給されている年金が生活保護の条件に該当している場合、生活保護を受けられます。しかし、条件に該当していない場合は、何とかしてお金を工面しなくてはなりません。

お金がないと困っている方が選択できる対策として、以下の4つが挙げられます。

  • 家族や専門家に相談する
  • 年金の繰上げ受給を検討する
  • 年金生活者支援給付金に該当しないか確認する
  • 持ち家を現金化する

それぞれの対策を詳しく見ていきましょう。

家族や専門家に相談する

お金のない親の老後に不安を抱いている子どもがいる場合には、家族との同居や生活費の援助を相談することで、協力を得られる可能性が高いです。

もし、老後のお金が足りない原因が多重債務の場合、専門家に相談すれば適切な対処法の提案を受けることで、状況の改善を図ることができるでしょう。

年金の繰上げ受給を検討する

老後の資金が足りない、資産運用が間に合わない場合は、年金の繰上げも選択肢の1つです。
年金の繰上げでは65歳に受給が開始される年金を60歳まで早めることができます。早く受け取ることができれば、老後の資金不足を補えるでしょう。

ただし、繰上げ受給を選択した場合には、本来受け取れるはずだった受給額が減額されます。そのため、年金を早く受け取れても、月々の受け取れる金額が少なくなる点に注意が必要です。

年金生活者支援給付金に該当しないか確認する

年金生活者支援給付金とは、消費税率引き上げ分を活用し、公的年金などの収入金額やその他の所得が一定基準以下の方を対象に、生活支援を図ることを目的として年金に上乗せして支給されるものです。

年金生活者支援給付金を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
  • 前年の公的年金などの収入金額とその他の所得との合計額が881,200円以下である

上記の要件を満たした場合は、保険料納付期間・免除期間に応じて給金を受けられるので確認してみましょう。

持ち家を現金化する

老後に安心してゆとりのある生活をおくるため、セゾンのリースバックを活用することも今すぐできる対策のひとつです。
セゾンのリースバックを活用することで、住宅ローンの返済・老後資金の準備・まとまった資金の確保が可能です。
そのほかにも相続対策・事業資金の調達など活用方法はさまざま。公的年金だけでは足りないという方におすすめです。

●リースバックとは?

リースバックとは、ご自宅を売却して現金化、売却後も住み続けることができるサービスです。
住み慣れた自宅で生活しながら、まとまった資金を調達することが可能です。
セゾンのリースバックでは、お客様の大切なご自宅をセゾンファンデックスが買い取り、お客様は賃貸として退去せず住み続けていただけます。
セゾンファンデックスが買主となり、直接お客様のご自宅(不動産)を購入いたします。

おわりに

年金はあくまでも老後の生活費を補助するためのものです。そのため、実際に平均受給額と老後に必要な生活費を比較しても、年金だけでは老後に必要な生活費を十分に補うことはできません。

老後を安心して迎えるには、不足分を補えるほどの資金を確保しておくことが大切です。

「年金が足りない。どうする?」と焦ることがないようにするためにも、老後を迎える前に節約や資産運用などでしっかり資金を確保しておきましょう。

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