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年金の受給見込み額は月8万円。老後のために、今何かできることはありますか?
ご質問内容
老後の年金受給見込み額は月8万円です。現在独身で、母と二人暮らしです。
老後、年金でどのように生活していけばよいかわからず不安です。今何かできることはありますか。
年齢:50歳
職業:パートタイマー
世帯年収:300万円
専門家の回答
老後の収入は公的年金のみになる人がほとんどですが、年金だけで生計が成り立っている人ばかりではありません。厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金を受給している高齢者世帯で、年金のみで生活している世帯は全体の44%に過ぎず、残りの56%の人は年金だけで暮らしているわけではなく、貯蓄を取り崩すなどが必要です。
老後資金はいくら必要?
では、老後の貯蓄はいくらあればいいのかについては、総務省の「家計調査年報2022年」によると、ご相談者様のような独身の方の老後の支出は、月額平均15万5495円(高齢単身無職世帯)となっています。
もし、老後に上記のような支出をすると、月8万円の年金との差額、月7万5000円程度を貯蓄から取り崩すイメージです。取り崩し額は1年間で約90万円になります。
65歳の年金もらい始めから90歳までの25年間これが続くと仮定すると、65歳時点での必要貯蓄額(老後資金)は2,250万円(90万円×25年)になります。
現在貯蓄があれば、その貯蓄額を差し引いた金額が65歳の必要貯蓄額になります。例えば、相談者に現在500万円の貯蓄があれば、1750万円(2,250万円−500万円)が老後資金の必要額です。
上記はあくまでも平均値で、65歳で仕事を一切しなくなった場合です。もし、以下のことができれば、老後資金を減らすこともできます。
老後資金を減らす方法
1.老後の支出額を抑える
月額支出額の平均は15万5495円ですが、仮に13万円で生活できる場合、貯蓄の取り崩し額は月5万円、年間60万円となり、90歳まで(25年)の老後資金は1,500万円(60万円×25年)に減らすことができます。
2.長く働く
仮に65歳以降も150万円の年収を得て70歳まで働くことができれば、5年分の貯蓄取り崩し額を750万円減らすことができます。月15万5千円(高齢単身者の平均的水準)の支出する場合でも、老後資金の必要額を1500万円(2,250万円−750万円)に抑えることができます。
さらに一月の支出額を13万円に抑えられると、老後資金の必要額(65歳時点)を750万円にまで圧縮できます。
現在の貯蓄額を引いた残りの目標額を今後貯めるとすると、ご相談者は現在50歳ですので、65歳まではあと15年あります。仮に15年で750万円を貯めるなら、年間50万円(750万円÷15年)の貯蓄で実現可能です。
老後資金を貯めるために、今できること
・収入を増やす:勤務日数を増やす、正社員になる、など
・支出を減らす:固定費(電話代、保険料など)を見直す
上記両面から、貯蓄を増やして老後資金の準備をし、支出を減らす生活を老後も続けられるように今から取り組んでいけば、将来への不安は薄らいでいくでしょう。
しかし、さまざまな工夫をしても老後資金が足りない、あるいは少しゆとりのある老後を過ごしたい、などの場合は、ご自宅をお持ちの方におすすめなのが「リースバック」です。
「リースバック」とはご自宅を売却して現金化、売却後も住み続けることができるサービスです。住み慣れたご自宅で生活しながら、まとまった資金を調達することが可能なため、老後資金の不安を軽減することができます。
また住居が変わるわけではないため、引越しや入居の手続きや費用の負担がありません。さらに、リースバックを利用すると、所有から賃貸に切り替わるため、固定資産税の支払いも不要です。マンションの場合は、管理費や修繕積立金の負担もなくなります。
どのような老後を過ごしたいのか、イメージを膨らませながら、将来設計を立ててみましょう。