更新日
【税理士監修】一般社団法人は融資を受けられる?
監修者氏名 | 吉田雅一(よしだまさかず) |
---|---|
保有資格 | 税理士 |
所属 | L&Bヨシダ税理士法人 |
監修日 | 2023年01月19日 |
法人化することにより、個人事業主の場合よりも信用力が増し、融資審査が有利に働くことがあります。しかし法人にも種類があり、なかでも一般社団法人は融資を受けるのが難しくなっています。一般社団法人が融資を受けるのが難しい理由と資金調達方法について解説します。
融資の種類
まずは融資の種類について、簡単に確認しましょう。
(1)公的機関
日本政策金融公庫で一般社団法人が利用できる融資制度は「新創業融資」や「ソーシャルビジネス支援資金」などが対象で限定的です。
また自治体などが提供する「制度融資」も選択肢となりますが、多くの場合一般社団法人は利用対象外となっています。
(2)民間の金融機関
融資条件に影響を与える全国信用保証協会の保証制度は、医療系を除く一般社団法人は利用できないため、金融機関などと直接融資契約を行う「プロパー融資」を利用する必要があります。
プロパー契約では、融資審査が実施され営利法人と同様に事業計画の提出も求められますが、融資審査では営利法人よりも不利に働くことになります。
このように、一般社団法人の融資の利用は営利法人の場合よりも難しくなっていますが、どうしてこのような制限が生じているのでしょうか。
一般社団法人が融資を受けるのが難しい理由とは?
公的・民間を問わず、一般社団法人の融資利用が難しい理由として、一般社団法人の活動内容が利益を上げることよりも活動目的の達成を第一としているためです。一般社団法人は利益を得ることを禁止しているわけではありませんが、メインの目的にはなりえず、収益性はどうしても営利法人よりも劣りやすくなります。
金融機関などの債権者の立場では、事業の成長見通しや利益の確保は、融資の返済計画を安定化させるのに重要な位置づけです。
しかし、一般社団法人は事業成長や利益確保を第一目的としていないため、融資を返済が滞るリスクを懸念され、全国保証協会では一般社団法人の利用を大幅に制限し、政策金融公庫や金融機関は制度上利用可能なものの事業計画や返済プランなどが難しいと判断した場合は融資審査が通さなかったり融資額を減らしたりすることになります。
一般社団法人の資金調達方法
(1)基金制度
融資を受けるハードルの高い一般社団法人ですが、一般社団法人固有の資金調達方法として「基金制度」があります。
基金制度は一般社団法人の資本金に近い性質を持ち、構成員や社外の方などから資金の拠出を受けることができます。返済不要の資本金と異なり、基金の拠出者は基金の返還請求権を有していますが、基金の返金タイミングは基金拠出の要項によって制限を加えることが可能なため、一般社団法人解散時まで先延ばしすることもでき、また利息の支払いも不要です。
基金は環境保護活動資金など特定の活動に関する資金集めにも利用でき、基金実施に関しても特段の認証手続きなどが必要なく、一般社団法人の活動内容を定めた定款に基金実施可能な旨の定めがあれば、法人内だけの手続きのみで実施可能です。もし定款に定めが無い場合は基金を実施することはできず、定款に基金実施の規定を追加するには社員総会による特別決議が必要となります。
基金は現金だけでなく、不動産や商品・車などの動産、有価証券といったさまざまな資産を受け入れることが可能なため、一般社団法人が活動資金を獲得する際の有力な選択肢といえるでしょう。
ただし、基金は実施の流れとして、総額や募集期間を定めた募集事項を作成し、その旨の通知を行い基金の応募を待つため時間がかかるほか、十分な金額が集まらなかったり、手続きに誤りがあったりする場合には基金そのものが無効となるリスクもあります。
基金の応募額が不足した場合、資金繰りが悪化して一般社団法人の活動が継続できなくなってしまう恐れもあるため、ほかに資金調達手段を確保しておくようにしましょう。
(2)事例あり!セゾンファンデックスの不動産担保ローン
基金以外の資金調達手段として、活用をおすすめしたいのがセゾンファンデックスの不動産担保ローンです。
セゾンファンデックスの不動産担保ローンは、不動産の担保余力を重視するため、一般社団法人も対応が可能です。
ここで、当社の事例をご紹介します。
セゾンファンデックスの不動産担保ローンでは、担保とする不動産は法人所有以外にも法人の代表者やその親族などが所有する全国の不動産が対象となります。また、すでに抵当権が設定されている場合でも利用可能なため、さまざまな不動産を担保とすることができます。
融資額は最大5億円で幅広い資金需要に対応できるほか、有担保のため融資金利も担保のない融資よりも比較的低めで、返済期間も最大25年間なので返済負担が抑えられ、資金繰りが楽になります。
銀行などの金融機関とは異なった審査基準で融資審査が行われているため、すでに融資を断られた場合でもぜひご相談ください。
おわりに
一般社団法人は、法人の収益よりも公益性のある活動目的の達成を優先する非営利法人のため、収益を返済原資とする融資制度の利用が難しくなっています。
そこで一般社団法人の資金調達方法として基金制度が設けられています。これは返済負担が小さく法人解散時まで基金の返済を行わないといったことも可能ですが、資金を得るまでに時間がかかったり目標金額を下回ったりすることもあり、資金繰りが切迫している場合などはほかの資金調達方法も想定しておく必要があります。
セゾンファンデックスの不動産担保ローンは銀行とは異なった審査基準を有しており、不動産の担保価値を重視するため、一般社団法人でも問題なく利用可能となっています。返済期間も長く有担保により金利も比較的低めとなっているため、短期・長期いずれの資金需要にも応えることができます。
一般社団法人を運営する際の資金調達方法のひとつとして選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。