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ものづくり補助金の条件とは?対象事業者・申請要件・補助対象経費をわかりやすく解説【2026年公募対応】
目次
「ものづくり補助金の条件を知りたい」 「自社は申請対象になるのか」 「個人事業主でも利用できる?」
ものづくり補助金を検討し始めたとき、多くの経営者や個人事業主がまず気になるのが「自分は申請できるのか」という一点です。
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者の設備投資・新製品開発・新サービス開発を支援する代表的な補助金制度です。ただし、誰でも利用できるわけではありません。対象事業者の要件、賃上げ要件、事業計画の要件など、複数の条件を満たす必要があります。
また、近年は制度改正が続いており、「以前の記事を参考にしたら内容が古かった」というケースも少なくありません。本記事では最新の公募要領をもとに、対象事業者・申請条件・補助対象経費・対象外経費・採択後の資金繰りまで、ひととおりわかりやすく解説します。まずは自社が申請対象に該当するかどうかから確認してみてください。
ものづくり補助金の対象事業者をまず確認
ものづくり補助金は「ものづくり」という名称から工場やメーカー向けの制度と思われがちですが、実際にはサービス業・小売業・建設業・IT事業者など幅広い業種が対象です。
まずは自社が申請対象の事業者に該当するかを確認しましょう。
中小企業は申請対象
ものづくり補助金の中心的な対象は中小企業です。業種ごとに定められた資本金または従業員数の基準を満たしていれば申請できます。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
| 製造業・建設業・運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
資本金と従業員数の両方を満たす必要はなく、いずれか一方を満たせば対象となります。たとえば製造業で資本金が5億円であっても、従業員数が200人であれば対象になる場合があります。
小規模事業者も対象
従業員数が少ない事業者も利用できます。町工場、飲食店、美容室、士業事務所、小売店なども対象です。小規模事業者は補助率が優遇されるケースもあるため、比較的活用しやすい制度といえます。
個人事業主も申請できる
法人だけでなく個人事業主も申請可能です。実際に、飲食店・デザイン事務所・Web制作会社・整体院・建設業の一人親方などの採択事例があります。ただし開業届を提出しており、事業として継続的に活動していることが前提です。副業レベルの活動や趣味的な事業は対象外となる場合があります。
NPO法人や組合なども対象になる場合がある
一定の条件を満たせば、NPO法人・企業組合・協業組合・社会福祉法人なども申請できる場合があります。ただし法人形態ごとに細かな条件があるため、公募要領を確認することが必要です。
対象外になる事業者
次のような事業者は原則として対象外です。
- 大企業
- みなし大企業(大企業が実質的に支配する中小企業)
- 宗教法人
- 政治団体
- 反社会的勢力
- 過去に補助金等で不正受給や重大な法令違反が確認された事業者
また、採択実績の条件や所得要件によって申請が制限されるケースもあります。
ものづくり補助金の申請条件
対象事業者に該当していても、申請条件を満たしていなければ採択されません。特に重要なのが次の3点です。
- 付加価値額要件
- 賃上げ要件
- 事業計画要件
近年は賃上げに関する要件が強化されているため、設備投資だけを考えている企業は注意が必要です。
付加価値額を増加させる計画が必要
ものづくり補助金では、単に設備を購入するだけでなく、生産性向上につながる投資であることが求められます。補助事業終了後に付加価値額を増加させる計画の策定が必須です。
付加価値額は「営業利益+人件費+減価償却費」で計算される指標です。売上向上・利益率改善・生産効率向上など、具体的な成果につながることを示す必要があります。
賃上げ要件を満たす必要がある
現行のものづくり補助金では賃上げが重視されています。給与支給総額や従業員一人当たり給与について、一定の増加計画を策定することが必要です。
第23次公募では、従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上を見込む計画が基本要件の一つとされています。無理な賃上げ計画を立てると、採択後に要件未達となり返還リスクが生じる可能性もあるため、実現可能な水準で計画を立てることが重要です。
「設備投資だけしたい」という考え方では採択が難しくなっています。設備投資によって生産性を高め、その成果を従業員に還元することが制度の基本的な考え方です。
最低賃金要件にも注意
事業場内の最低賃金についても条件があります。最低賃金水準が一定基準を下回る場合や、採択後に要件未達となった場合は、補助金返還の対象になる可能性があります。採択を受けることだけでなく、採択後に条件を達成できるかどうかも重要です。
従業員21人以上の事業者は追加要件がある
従業員数が21人以上の事業者には追加要件が設けられています。代表的なのが一般事業主行動計画で、仕事と子育ての両立支援に関する取り組みを行い公表していることが求められます。対象となる企業は事前に準備しておきましょう。
ものづくり補助金で重要なのは「設備」ではなく「事業計画」
ものづくり補助金は「新しい機械を買うための補助金」というイメージを持たれがちですが、実際には違います。審査で重視されるのは設備そのものではなく、その設備を活用してどのような事業成長を実現するかです。
たとえば同じ工作機械を導入する場合でも、生産能力向上による新市場進出・新商品の開発・高付加価値サービスの提供など、具体的な成長ストーリーを描ける事業者のほうが評価されやすい傾向があります。設備投資そのものよりも、「設備を使ってどのような付加価値を生み出すのか」が審査で重視されます。採択率を高めるためには、設備の説明よりも事業計画の説得力が問われます。
ものづくり補助金の補助対象となる事業
ものづくり補助金は、どのような設備投資でも利用できるわけではありません。申請する事業には「革新性」や「付加価値向上」が求められます。単なる設備更新や老朽化対策だけでは採択されない可能性があります。
新製品・新サービスの開発
もっとも代表的なのが新製品や新サービスの開発です。新しい食品の開発、オリジナルブランド商品の製造、新サービスの立ち上げ、新たな顧客層を獲得するためのサービス展開などが該当します。既存事業の延長線上ではなく、新たな価値を提供できるかどうかが重要です。
生産プロセスの改善
生産性向上を目的とした設備投資も対象になります。加工工程の自動化、AIやIoTの導入、生産管理システムの導入、品質管理システムの導入などです。単に人件費削減を目的とするのではなく、品質向上や生産能力向上など具体的な効果を示す必要があります。
DX・システム導入
近年はDX関連の採択事例も増えています。ECシステム構築、受発注システム導入、クラウド活用、AI活用サービスなども、事業計画次第では対象となります。「IT投資だから対象外」ということはなく、事業成長につながるかどうかが判断の軸です。
補助対象となる経費
ものづくり補助金では、補助対象となる経費が細かく定められています。代表的なものは次のとおりです。
機械装置・設備費
もっとも多く利用される経費です。工作機械・製造設備・検査機器・厨房設備などが該当します。原則として、交付決定後に購入した設備が対象です。交付決定前に購入した設備は対象外となるため注意しましょう。
システム構築費
近年利用が増えている経費です。生産管理システム・受発注システム・在庫管理システム・業務効率化システムなどが対象になります。
技術導入費
外部技術を導入するための費用です。特許やノウハウの利用などが該当します。
専門家経費
中小企業診断士や専門コンサルタントなどに支払う費用です。上限や条件が設けられています。
外注費
開発や試作品製作などを外部へ委託する場合の費用です。ただし、外注費だけで事業が成立するような計画は評価されにくい傾向があります。
クラウドサービス利用費
SaaSやクラウドシステムの利用料なども対象になる場合があります。
補助対象外となる経費
ものづくり補助金では、すべての支出が補助対象になるわけではありません。申請前に、対象外となる経費も確認しておきましょう。
代表的な対象外経費は次のとおりです。
- パソコン・スマートフォン・タブレット
事業以外にも利用できる汎用性の高い機器は、原則として補助対象外です。 - 文房具や消耗品
コピー用紙や文具、消耗部材などは補助対象になりません。 - 飲食費・接待費
飲食や接待にかかる費用は補助対象外です。 - 自社の人件費
従業員の給与や役員報酬などは補助対象になりません。 - 自動車・車両
一般的な自動車や車両の購入費は、原則として補助対象外です。事業内容や経費区分によって取り扱いが異なる場合があるため、公募要領を確認しましょう。
採択されやすい事業の特徴と、不採択になりやすいケース
ものづくり補助金は、申請すれば必ず採択されるわけではありません。限られた予算の中で審査が行われるため、事業計画の内容や実現可能性などが重要になります。
採択されやすい事業の特徴
採択されやすい事業には、いくつかの共通点があります。
まず重要なのが、新規性があることです。「これまでの事業と何が違うのか」「新たにどのような価値を生み出すのか」が明確である必要があります。
また、市場ニーズを示せることも重要です。優れた技術やサービスであっても、実際に需要があることを説明できなければ、事業計画の説得力は弱くなります。市場規模や顧客ニーズなどを客観的なデータで示すことがポイントです。
さらに、売上や利益、生産量などの数値計画が具体的であることも欠かせません。設備投資によってどの程度の成果が期待できるのかを、根拠とともに示す必要があります。
加えて、人手不足や品質改善、生産能力不足といった自社の経営課題と設備投資の内容が結び付いていることも重要です。
不採択になりやすいケース
一方、次のような事業計画は評価されにくい可能性があります。
- 老朽化した設備を入れ替えるだけの単純な設備更新
- 他社でも一般的に行われている取り組みにとどまる計画
- 売上予測や利益計画に具体的な根拠がない計画
- 自社の経営課題と設備投資の目的が結び付いていない計画
- 補助金の利用そのものが目的となっており、事業としての実現可能性が十分に示されていない計画
採択を目指すには、単に「設備を導入したい」と説明するのではなく、その投資によってどのような課題を解決し、どのような成果につなげるのかを具体的に示すことが重要です。
ものづくり補助金の条件に関するよくある質問
個人事業主でも申請できますか?
開業届を提出しており、継続的に事業を行っている個人事業主であれば申請可能です。
従業員がいなくても申請できますか?
2026年の第23次公募では、応募申請時点で従業員数が0名の場合は申請できません。公募回によって取り扱いが変わる可能性もあるため、申請前には必ず最新の公募要領を確認してください。
飲食店でも利用できますか?
利用できます。実際に飲食店の採択事例も数多くあります。
ホームページ制作は対象になりますか?
単なるホームページ制作は対象外になるケースが多いですが、新サービス開発の一環として必要性が認められれば対象となる場合があります。
パソコン購入は対象ですか?
原則として対象外です。汎用性が高いことがその理由です。
申請前チェックリスト
申請を検討している事業者は、次の項目を事前に確認しておきましょう。
| 確認事項 | チェック |
| 中小企業または小規模事業者に該当するか | □ |
| 個人事業主の場合、開業届を提出しているか | □ |
| みなし大企業に該当しないか | □ |
| 付加価値額を増加させる事業計画を作れるか | □ |
| 賃上げ計画を策定できるか | □ |
| 最低賃金要件を満たせるか(または満たせる見込みがあるか) | □ |
| 従業員21人以上の場合、一般事業主行動計画を策定・公表しているか | □ |
| GビズIDを取得済みか(または取得できるか) | □ |
| 補助対象経費の内容を確認しているか | □ |
| 採択後の資金調達計画を立てているか | □ |
ものづくり補助金で見落としやすい採択後の資金繰り
ものづくり補助金は、採択されればすぐに補助金を受け取れるわけではありません。採択後も、設備投資などに必要な資金をどのように確保するかを考えておく必要があります。
その理由は、ものづくり補助金が原則として後払いで交付されるためです。
たとえば、補助率2分の1で1,000万円の設備投資を行い、最終的に500万円の補助金を受け取る場合でも、事業者は設備代金などの支払いに必要な資金を先に用意する必要があります。
補助金が交付されるまでの主な流れは次のとおりです。
-

採択 → 交付決定 → 設備発注・納品・支払い → 事業実施 → 実績報告 → 確定検査 → 補助金交付
このように、採択後すぐに補助金が入金されるのではなく、交付決定後に補助事業を実施し、実績報告や確定検査などの手続きを経てから補助金が交付されます。そのため、設備代金などの支払い時期と補助金の入金時期にずれが生じることを前提に、資金計画を立てておくことが重要です。
たとえば、次のような点をあらかじめ確認しておく必要があります。
- 設備代金などを先行して支払うための自己資金を確保できるか
- 必要に応じて銀行などから融資を受けられるか
- 補助金が入金されるまでの事業運営資金を確保できるか
「採択されれば一安心」と考えるのではなく、採択後の支払いから補助金の入金までを見据えて、必要な資金をどのように確保するかまで準備しておくことが、ものづくり補助金を活用するうえで重要です。
理由はシンプルで、ものづくり補助金は原則として後払いだからです。
たとえば補助率2分の1で1,000万円の設備投資を行う場合、最終的に500万円の補助金を受け取れるとしても、事業者はまず1,000万円を自己資金または融資で用意しなければなりません。しかも補助金が入金されるまでの流れは次のとおりです。
採択 → 交付決定 → 設備発注・納品・支払い → 事業実施 → 実績報告 → 確定検査 → 補助金交付
この一連の手続きを経るため、採択から実際の入金まで1年以上かかるケースも珍しくありません。
こうした構造から、次のような状況に直面する事業者が実際に存在します。
- 採択されたが自己資金が不足している
- 銀行融資の審査に時間がかかり、設備代金の支払期日に間に合わない
- 補助金の入金を待ちながら事業を進める資金繰りが回らない
「採択されれば一安心」ではなく、「採択後にどう動くか」まで見越した準備が、ものづくり補助金を確実に活用するうえで欠かせません。
補助金交付までの資金調達方法
補助金入金までの資金を確保する方法としては、銀行融資・信用金庫融資・日本政策金融公庫などが一般的な選択肢です。ただし、審査に時間がかかったり、既存借入の状況によって追加融資が難しかったりするケースもあります。
そうした状況で活用されているのが、補助金つなぎ融資(POファイナンス)です。
補助金つなぎ融資(POファイナンス)とは
補助金つなぎ融資(POファイナンス)は、交付決定を受けた補助金をもとに資金調達を行う仕組みです。補助金の交付決定情報を電子記録債権化し、それを担保に融資を受け、補助金の入金によって返済する構造となっています。
セゾンファンデックスでは、Tranzax株式会社の仕組みを活用してこの融資を提供しています。主な内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 融資金額 | 300万円〜5億円(補助金交付決定額が上限) |
| 融資年率 | 3.65〜9.9%(固定金利) |
| 返済方式 | 元金一括返済(補助金入金による返済) |
| 対応エリア | 全国対応 ※契約時に東京または大阪の当社オフィスへ来社可能な場合 |
| 対象者 | 法人(個人事業主は対象外) |
| 対応補助金 | ものづくり補助金・事業再構築補助金など |
補助金の交付決定を前提に検討できるため、銀行融資とは異なる資金調達手段として選択肢に入れられる点が特徴です。ただし、利用には所定の審査があります。また、全国対応している取扱金融機関は限られており、セゾンファンデックスはそのうちの一つです。
こんな事業者に向いている
補助金つなぎ融資(POファイナンス)は、次のような状況で活用されています。
- ものづくり補助金に採択されたが、設備代金を先行して支払う必要がある
- 自己資金だけでは補助事業の実施費用をまかなえない
- 銀行融資の実行まで待てない、または融資審査が通らなかった
- 支払期日が迫っている
補助金申請は採択に意識が向きがちですが、採択後の資金計画まで含めて準備しておくことが、補助金を実際に使い切るうえで重要です。
ものづくり補助金は「申請条件を満たすこと」だけでなく、「採択後に自己資金で補助事業を進められること」まで含めて準備する必要があります。設備投資額が大きい場合は、申請段階から採択後の資金調達方法も確認しておくと安心です。
ものづくり補助金の条件を確認し、採択後の資金計画まで準備しよう
ものづくり補助金は、中小企業や個人事業主が設備投資や新製品・新サービス開発に取り組む際に活用できる代表的な補助金制度です。ただし申請するためには、対象事業者であることに加え、付加価値額向上・賃上げ・最低賃金・事業計画に関する条件を満たす必要があります。
また採択されるためには、単なる設備更新ではなく、新規性や市場性のある事業計画を策定することが重要です。
さらに、補助金は後払いで交付されるため、採択後の資金繰りも事前に検討しておくことが現実的な準備といえます。自己資金や銀行融資だけでまかなえない場合は、補助金つなぎ融資(POファイナンス)のような選択肢も視野に入れておきましょう。
制度内容は公募回ごとに変更されることがあるため、申請前には最新の公募要領を確認するとともに、採択後の資金計画まで含めて準備を進めることが重要です。

