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法人で不動産を購入するデメリットとは?メリット・節税効果・個人購入との違いを解説

法人で不動産を購入する5つのデメリット(住宅ローン不可、設立・維持コスト、会計・税務の複雑化、売却時の税負担、個人との損益通算不可)を整理した図解
執筆者氏名 「お金のトリセツ」編集部
所属 セゾンファンデックス
執筆日 2026年08月27日

法人名義で不動産を購入することには、節税や資産管理のメリットがある一方で、「思ったほど節税効果が出ない」「資金調達で想定より時間がかかる」といったケースもあります。個人購入と比べると、税金・会計処理・融資条件が大きく異なるため、事前に全体像を把握しておくことが重要です。

この記事では、法人で不動産を購入する際のデメリットを中心に、メリット・節税効果・経費計上・減価償却・社宅制度・法人向け不動産購入ローンまで、判断に必要な情報をひとつの記事でまとめて解説します。

法人で不動産を購入する主なデメリット

法人で不動産を購入する主なデメリットは、以下の5つです。

  1. 個人向けの住宅ローンを利用できない
  2. 法人の設立・維持にコストがかかる
  3. 会計・税務処理が複雑になる
  4. 売却時の税負担が個人より重くなる場合がある
  5. 個人の所得と法人の損益を直接合算できない

「節税になると聞いた」という理由だけで法人購入に踏み切ると、維持コストが節税効果を上回ったり、資金調達の段階でつまずいたりすることがあります。メリットと照らし合わせながら、自身の状況に合うかどうかを冷静に判断することが大切です。

以下では、それぞれのデメリットを詳しく見ていきます。

デメリット1:個人向けの住宅ローンを利用できない

法人で不動産を購入する場合に、まず大きなハードルとなるのが融資です。

住宅ローンは、本人や家族が居住する住宅を個人が購入するための融資制度です。そのため、たとえ代表者が住む予定の物件であっても、法人名義での購入には原則として住宅ローンを利用できません。住宅ローン控除も同様に対象外となります。

法人で不動産を購入する場合は、法人向けの事業用ローンや不動産購入ローンを検討することになります。これらのローンは、法人の決算内容・事業実績・代表者の信用力・購入予定物件の担保評価などをもとに審査が行われます。新設法人や未決算法人は実績が少ないため、事業計画や代表者の収入・資産背景、購入予定物件の内容などをより詳しく確認されることがあります。

つまり、法人購入では「物件を選ぶこと」よりも「法人として資金調達できるか」の方が、実務上の最初の壁になることが多いのです。

デメリット2:法人の設立・維持にコストがかかる

不動産購入のために新たに法人を設立する場合、登録免許税・定款認証費用・司法書士報酬などの初期費用が発生します。合同会社か株式会社かによって金額は異なりますが、個人購入には存在しないコストです。

設立後も、維持コストは継続的にかかります。毎年の法人税申告、会計処理、決算書の作成が必要になり、多くの場合は税理士に依頼することになります。その費用は個人の確定申告よりも高額になるのが一般的です。

また、法人は事業が赤字であっても「法人住民税の均等割」が課されます。資本金や従業員数に応じて異なりますが、最低でも年間7万円程度は発生します。利益が出ていない年でも税負担が続くのは、個人所有との大きな違いです。

節税目的で法人化しても、これらの維持コストが節税効果を上回れば、結果として負担が増えることになります。

デメリット3:会計・税務処理が複雑になる

法人で不動産を購入すると、購入時の諸費用、借入金、減価償却、修繕費、固定資産税、賃料収入などをすべて法人会計のルールに沿って処理しなければなりません。

例えば、購入費用のうち土地は減価償却できず、建物のみが償却の対象です。建物についても構造・用途に応じた耐用年数で処理する必要があります。また、修繕工事が「修繕費として一括経費計上できるもの」か「資本的支出として資産計上するもの」かの判断が必要になるなど、専門知識が求められる場面が多くあります。

個人の確定申告と比べて複雑な処理が多いため、税理士などの専門家と連携しながら進めることが現実的です。

デメリット4:売却時の税負担が個人より重くなる場合がある

法人で不動産を購入する場合、出口戦略も重要な検討ポイントです。

個人が不動産を売却した場合、譲渡所得として課税されますが、5年を超えて保有した不動産には長期譲渡所得として軽減税率(所得税・住民税合計で約20.315%)が適用されます。

一方、法人が不動産を売却して得た利益は、法人全体の所得に合算されます。所有期間による税率の優遇はなく、法人全体の所得が大きければそれだけ税負担も増えます。物件の売却益が大きい場合、個人で長期保有してから売却する場合と比べて、税負担が重くなることがあります。

保有中の節税効果だけでなく、将来の売却時にどのような税負担が生じるかまで含めて、全体像を把握しておきましょう。

デメリット5:個人の所得と法人の損益を直接合算できない

個人で不動産投資を行っている場合、不動産所得の赤字を給与所得などと損益通算できるケースがあります。しかし、法人で不動産を保有している場合、法人の赤字と代表者個人の給与所得を直接合算することはできません。

なお、法人では「繰越欠損金控除」という制度があり、青色申告の要件を満たした場合、法人で発生した赤字を最大10年間繰り越して将来の黒字と相殺できます。個人の損益通算とは仕組みが異なるため、「赤字を出せば節税になる」と単純に考えるのではなく、法人特有のルールを理解した上で判断することが重要です。

法人で不動産を購入するメリット

デメリットを踏まえた上で、法人購入のメリットも整理しておきましょう。法人で不動産を購入する主なメリットは、以下の5つです。

  1. 法人税率の適用による税負担の調整
  2. 経費計上できる範囲が広い
  3. 役員報酬を通じた所得分散
  4. 欠損金を長期間繰り越せる
  5. 相続・事業承継対策として活用できる場合がある

個人と法人では、所得に対する課税の仕組みが異なります。個人の所得税は、分離課税となる所得などを除き、所得が増えるほど税率が上がる累進課税となっており、税率は5%から45%までの7段階に区分されています。一方、法人税の税率は法人の区分や所得金額などによって異なり、法人税以外にも地方税などの負担があります。そのため、所得の状況によっては法人で不動産を保有することで税負担を抑えられる場合がありますが、税率だけで法人と個人のどちらが有利かを判断することはできません。

また、法人が不動産を所有している場合、相続時の対象は「不動産そのもの」ではなく「法人の株式」となります。株式の評価額は不動産を直接相続する場合と異なる算定方法が用いられるため、評価額を抑えられる可能性があり、相続税対策としても検討されます。

ただし、これらのメリットはあくまで可能性であり、法人の利益状況・購入目的・保有期間・出口戦略によって効果は変わります。「必ず節税になる」とは言えない点を念頭に置いておきましょう。

法人と個人、どちらで購入すべきか

法人購入と個人購入のどちらが有利かは、購入目的・収入規模・保有期間・将来的な売却方針によって変わります。特に、利用できるローン、税金の扱い、経費計上の範囲、売却時の課税方法は大きく異なるため、まずは全体像を比較してみましょう。

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比較項目法人で購入する場合個人で購入する場合
主な目的事業用・投資用・資産管理・社宅居住用・個人の資産形成・投資用
利用できるローン法人向け不動産購入ローン・事業用ローンなど住宅ローン・不動産投資ローンなど
審査で見られる点法人の決算・事業実績・担保評価・代表者信用力など年収・勤続年数・信用情報・物件評価など
経費計上の範囲役員報酬・退職金・保険料など比較的広い不動産所得に関係する費用が中心
売却益の課税法人全体の所得に合算(保有期間による軽減なし)長期保有で軽減税率あり(約20.315%)
維持コスト法人住民税・税理士費用・決算申告費用など法人維持費は不要
向いているケース不動産を事業・投資として中長期的に活用したい場合自宅購入や個人資産として保有したい場合

一般的には、個人の課税所得が高くなるほど、法人化による税率差を検討する余地が出てきます。課税所得900万円前後を一つの目安として語られることもありますが、実際の有利不利は所得構成、経費、社会保険料、将来の売却方針によって変わります。また、将来的に複数物件を保有・拡大したい場合や、事業承継・相続対策を本格化させたい場合も、法人購入が選択肢になります。

法人で不動産を購入すると節税になる?

結論として、「節税になる場合がある」が正確な答えです。

節税効果が期待できる理由は、個人の所得税(累進課税)と法人税の税率差にあります。個人の所得が高いほど適用される税率が上がる一方、法人税率は一定の範囲内に収まるため、所得規模が大きくなるほど法人での保有が有利になりやすい構造があります。

また、法人では役員報酬・従業員給与・社宅費用・保険料など、個人では計上が難しい費用を経費として認められる範囲が広がります。不動産収益に対する課税所得を圧縮する手段が多い点も、節税効果につながる要因のひとつです。

ただし、節税効果を上回る維持コストが発生するケースや、売却時に税負担が重くなるケースもあります。法人設立費用や税理士報酬などを含めたトータルコストを把握しないまま法人化すると、思ったほどメリットが出ないこともあります。法人購入を検討する際は、個人購入と比較した場合のシミュレーションを事前に行うことをおすすめします。

法人で不動産を購入した場合に経費計上できるもの

法人が不動産を購入・保有する場合、事業に必要な費用は経費(損金)として計上できます。個人の確定申告と比べて、認められる費用の範囲が広い点が法人の特徴です。

主な経費としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険料・地震保険料
  • 管理費・修繕費
  • 賃貸管理会社への管理委託料
  • 借入金の利息
  • 司法書士報酬・税理士報酬
  • 入居者募集にかかる広告費・仲介手数料
  • 役員報酬・従業員給与(事業との関連がある場合)
  • 旅費交通費 など※事業との関連性が認められる支出に限られます。

ただし、すべての支出が無条件に経費になるわけではありません。事業と関係のない個人的な支出は認められませんし、不動産の購入費用(土地・建物の取得費)は一括で経費にするのではなく、資産として計上します。建物部分については、減価償却によって毎年少しずつ費用化していきます。

経費として認められるかどうかは内容によって判断が分かれるため、領収書や契約書をきちんと保管し、支出の目的を明確にしておくことが重要です。

法人で不動産を購入した場合の減価償却

減価償却とは、建物の取得費用を耐用年数に応じて毎年少しずつ費用化していく会計処理です。土地は経年劣化しないとして償却対象にはなりませんが、建物は構造・用途に応じた法定耐用年数に基づいて毎年費用計上します

減価償却費は実際の現金支出を伴わない帳簿上の費用であるため、キャッシュを手元に残しながら課税所得を圧縮できる節税手法として活用されます。

特に注目したいのが中古物件です。築年数が経過しているほど残存耐用年数が短くなり、1年あたりの減価償却費が大きくなりやすい構造があります。購入初期に大きな減価償却費を計上できれば、その分だけ課税所得を圧縮できます。

ただし、減価償却によって帳簿上の利益を抑えられても、借入金の元本返済は経費になりません。減価償却費と元本返済のバランスを見誤ると、税金は抑えられているのに手元資金が不足するという状況になりかねません。法人で不動産を購入する際は、減価償却費・返済計画・キャッシュフローを合わせてシミュレーションすることが大切です。

法人でマンションを購入して社宅にする場合

法人でマンションを購入し、役員や従業員の社宅として活用するケースがあります。うまく設計すれば、法人の経費を増やしながら役員・従業員の住居費を実質的に抑えられる、双方にメリットのある制度です。

社宅制度を活用した場合、法人が所有する物件にかかる費用(減価償却費・固定資産税・火災保険料・修繕費など)を経費として計上できます。入居者となる役員や従業員は、市場家賃より低い賃料で入居できるケースがあります。

ただし、社宅を貸与した場合の給与課税の取扱いは、役員と従業員で異なります。役員の場合は、原則として1か月当たりの賃貸料相当額を徴収していれば給与として課税されません従業員の場合は、賃貸料相当額の50%以上を徴収していれば、賃貸料相当額との差額は給与として課税されません。なお、賃貸料相当額の算定方法は役員と従業員で異なり、役員については住宅の規模や、自社所有か借上げかなどの条件によっても異なります。

社宅制度を導入する際は、社宅規程を整備し、賃料の算定根拠を明確にした上で運用することが大切です。節税だけを目的とするのではなく、事業運営上の必要性や人材確保の観点も踏まえた制度設計が求められます。

法人で不動産を購入する場合の融資:住宅ローンが使えない場合はどうする?

法人で不動産を購入する際の最大の実務的課題のひとつが、資金調達です。

前述のとおり、個人向けの住宅ローンは法人購入には利用できません。法人が不動産を購入する場合は、法人向けの不動産購入ローン・事業用ローン・不動産投資ローンなどを検討することになります。

銀行(メガバンク・地方銀行・信用金庫など)では、法人の決算内容・自己資金比率・既存の借入状況・事業実績などが重視される傾向があります。財務状況が良好で事業実績のある法人であれば、比較的有利な条件での借入が期待できます。

一方で、以下のようなケースでは、銀行融資の審査が厳しくなりやすい傾向があります。

  • 設立間もない新設法人:決算書がなく、業績を客観的に示しにくい
  • 未決算法人:財務状況の把握が困難と見なされやすい
  • 赤字決算が続いている法人:返済能力に疑問符がつきやすい
  • 代表者に永住権がない法人:金融機関によって融資条件が異なる
  • 自己資金が少ない場合:フルローンや高LTVへの対応が限られる場合がある

こうした状況で「銀行では難しい」と言われた場合でも、選択肢はゼロではありません。ノンバンクの法人向け不動産購入ローンでは、銀行とは異なる審査基準が設けられていることがあります。

セゾンファンデックスの法人向け不動産購入ローンでは、新設法人・未決算法人・外国籍(永住権なし)の代表者が経営する法人なども相談可能です。購入予定不動産や共同担保にできる不動産がある場合は、銀行で希望どおりの融資を受けられなかったケースでも相談できる可能性があります。銀行で希望どおりの融資を受けられなかった法人や、決算実績がない段階で購入を検討している法人にとって、相談先のひとつになります。

銀行とノンバンクの主な違い

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比較項目銀行で重視されやすい点ノンバンクで相談できる場合がある点
新設法人決算実績や事業実績を確認されることがある代表者の収入・資産背景や購入予定物件を含めて相談できる場合がある
未決算法人実績不足として慎重に見られやすい事業計画や購入予定物件をもとに相談できる場合がある
永住権なし金融機関によって対応が異なる永住権がない代表者でも相談できる商品がある
自己資金が少ない自己資金比率を確認されやすい共同担保などを含めて相談できる場合がある
審査で見られる点財務内容、事業実績、返済能力など物件、担保、代表者の状況などを含めて総合的に見られる場合がある
審査スピード金融機関や案件によって異なる商品によっては仮審査の回答が早い場合がある

※上記はあくまで一般的な傾向であり、個別の審査結果は物件・法人状況によって異なります。

法人で不動産を購入する前に確認したいポイント

法人で不動産を購入する前には、まず「なぜ法人名義で購入するのか」という目的を整理しておくことが大切です。

例えば、賃貸経営による収益を目的とするのか、自社オフィスや事業用不動産として利用するのか、役員・従業員の社宅として活用したいのかによって、選ぶべき物件や融資方法、税務上の取り扱いは異なります。「節税になると聞いたから」という理由だけで法人購入を選ぶのではなく、自社の事業計画や資産運用の目的に合っているかを確認しましょう。

次に確認したいのが、資金計画です。法人で不動産を購入する場合は、自己資金の割合だけでなく、毎月の返済をどのような収益で賄うのかも重要になります。賃貸経営であれば、空室や家賃下落、修繕費の発生なども想定し、無理のない返済計画を立てる必要があります。

また、購入時だけでなく出口戦略も考えておきましょう。将来的に売却する予定なのか、中長期で保有して家賃収入を得るのか、あるいは事業承継や相続対策として活用するのかによって、法人購入のメリット・デメリットは変わります。保有中の節税効果だけを見るのではなく、売却時の税負担や法人の維持コストまで含めて総合的に判断することが大切です。

判断に迷う場合は、不動産会社だけでなく、税理士や融資を取り扱う金融機関にも事前に相談し、税務と資金調達の両面からシミュレーションしたうえで購入を検討すると安心です。

法人向け不動産購入ローンの必要書類

法人で不動産購入ローンを申し込む際は、一般的に以下の書類が必要になります。金融機関やローン商品によって異なるため、事前に確認しておくとスムーズです。

法人に関する書類

  • 商業登記簿謄本
  • 直近の決算報告書
  • 事業計画書
  • 法人の納税証明書
  • 創業計画書

※新設法人や創業間もない法人の場合、決算書の代わりに創業計画書などを求められることがあります。 

代表者に関する書類

  • 本人確認書類
  • 住民票
  • 収入証明書
  • 確定申告書
  • 課税証明書

本人確認書類には、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどが該当します。代表者個人の収入や資産状況も審査で確認されることがあるため、法人の書類だけでなく代表者に関する資料も準備しておきましょう。

購入予定不動産に関する書類

  • 売買契約書
  • 重要事項説明書
  • 登記簿謄本
  • 公図
  • 建物図面
  • 固定資産税評価証明書
  • レントロール
  • 賃貸借契約書

賃貸運用を目的とする場合は、入居状況や賃料収入を確認するため、レントロールや賃貸借契約書の提出を求められることがあります。

担保提供に関する書類

  • 担保提供予定不動産の登記情報
  • ローン残高がわかる書類
  • 返済予定表
  • 固定資産税評価証明書

購入予定不動産以外に共同担保を提供する場合は、その不動産の権利関係や残債がわかる書類が必要になることがあります。

なお、実際に必要となる書類は、法人の状況、購入する不動産の種類、借入希望額、担保内容などによって変わります。申し込み前に金融機関へ確認し、不足書類がないように準備しておきましょう。

法人で不動産を購入する際によくある質問

法人で不動産を購入することを検討している方からは、「節税効果はあるのか」「新設法人でもローンを利用できるのか」「社宅として活用できるのか」といった質問がよく寄せられます。ここでは、法人名義で不動産を購入する際によくある疑問について、わかりやすく回答します。

Q:法人で不動産を購入するメリットは何ですか?

経費計上できる範囲が広がること、減価償却を活用できること、役員報酬による所得分散ができること、欠損金の繰越控除が最大10年間使えること、相続・事業承継対策につながる場合があることが主なメリットです。ただし、法人の維持コストや税務処理の手間もあるため、必ず個人より有利になるとは限りません。

Q:法人で不動産を購入すると節税になりますか?

節税になる場合もありますが、法人の利益状況・個人の所得・物件規模・保有期間・売却方針によって変わります。法人には設立・維持コストもあるため、購入前に個人購入と法人購入の税負担を比較することが大切です。

Q:法人でマンションを購入して社宅にできますか?

法人で購入したマンションを役員・従業員の社宅として活用できる場合があります。ただし、入居者から適正な賃料を徴収すること、社宅規程を整備することが必要です。賃料設定が不適切な場合、給与として課税されることがあります。

Q:新設法人でも不動産購入ローンは利用できますか?

新設法人は決算実績がないため、銀行では慎重に見られやすい傾向があります。ただし、ノンバンクの法人向け不動産購入ローンでは、新設法人や未決算法人でも相談できる商品があります。代表者の収入・資産背景、事業計画、購入予定物件の内容などをもとに総合的に判断されるため、早めに相談しておくとよいでしょう。

Q:法人向け不動産購入ローンの返済期間はどのくらいですか?

金融機関・商品・物件の種類・法人の状況によって異なります。返済期間が長いほど毎月の返済額は抑えやすくなりますが、総返済額は増えます。賃貸運用の場合は、空室リスクや家賃下落・修繕費なども考慮した上で、無理のない返済計画を立てることが大切です。

Q:銀行で断られた場合でも法人で不動産を購入できますか?

銀行で断られた場合でも、ノンバンクの法人向けローンに相談できるケースがあります。新設法人、未決算法人、外国籍の代表者が経営する法人、自己資金が少ないケースなどでも相談できる商品があるため、断られた理由を確認したうえで、別の選択肢を検討してみましょう。

法人で不動産を購入する際はメリット・デメリットを比較して判断しよう

法人で不動産を購入することには、税率差の活用・経費計上・減価償却・所得分散・相続対策など、個人購入にはないメリットがあります。一方で、住宅ローンが使えないこと、法人の維持コスト、複雑な会計処理、売却時の税負担、個人の所得と法人の損益を直接合算できないことなど、無視できないデメリットも存在します。

「節税になるから」という理由だけで法人購入を選ぶのではなく、税負担・資金調達・維持コスト・出口戦略まで含めて総合的に判断することが大切です。

特に資金調達については、法人名義での購入は個人の住宅ローンとは前提が異なります。銀行での融資が難しいケースでも、ノンバンクの法人向け不動産購入ローンという選択肢があります。新設法人・未決算法人・外国籍の代表者が経営する法人など、銀行で希望どおりの融資を受けにくいケースでも相談できる商品があります。

法人での不動産購入を検討している場合は、税理士などの専門家に税務面を確認しつつ、融資を取り扱う金融機関にも早めに相談し、税務と資金調達の両面から判断を進めることをおすすめします。

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