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ノンバンクの不動産担保ローンとは?銀行との違い・メリット・注意点をわかりやすく解説

ノンバンクの不動産担保ローンが向いている人の特徴と、貸金業登録・手数料確認・返済計画など安心して選ぶための確認ポイントを整理したアイキャッチ
執筆者氏名 「お金のトリセツ」編集部
所属 セゾンファンデックス

まとまった資金を不動産担保で調達しようと考えたとき、多くの人がまず思い浮かべるのは銀行でしょう。金利は低めになりやすく、なじみのある相談先として安心感を持つ方も多いでしょう。しかし審査には時間がかかりやすく、資金使途が限定されていたり、担保にできる不動産の条件が厳しかったりすることも珍しくありません。

こうした場面で選択肢に入ってくるのが、ノンバンクの不動産担保ローンです。ノンバンクと聞くと、「銀行じゃないから不安」「金利が高そう」「審査が甘いだけでは」といったイメージを持つ方もいるでしょう。しかし実際には、貸金業登録を受けたノンバンクは、貸金業法にもとづいて融資を行う正規の貸金業者です。銀行とは審査基準や担保評価の考え方が異なるため、銀行で希望に合う条件が見つからない場合でも、ノンバンクであれば相談できることがあります。

この記事では、ノンバンクの不動産担保ローンについて、銀行との違いから、メリット・デメリット、向いている人の特徴、そして安心して利用できる業者の選び方まで、順を追って解説していきます。

ノンバンクの不動産担保ローンとは

ノンバンクの不動産担保ローンとは、銀行以外の金融機関が、土地や建物などの不動産を担保として貸し付けるローンを指します。

そもそもノンバンクとは、預金業務を行わず、融資やクレジット、リースといった与信業務を専門に行う金融機関の総称です。消費者金融や信販会社、クレジットカード会社、リース会社のほか、不動産担保ローンを専門に扱う会社もここに含まれます。

銀行との最も大きな違いは、よって立つ法律です。銀行は銀行法にもとづいて運営される一方、貸付を業とするノンバンクは貸金業法の規制を受けます。この違いが、総量規制の適用関係や貸金業登録の義務など、融資のルールにも影響しています。

不動産という資産を担保に入れる分、不動産担保ローンは無担保ローンよりも高額かつ長期の借り入れに向いています。資金使途も比較的幅広く、事業資金、納税資金、リフォーム費用、複数借入のおまとめ、既存ローンの借り換えなど、まとまった資金が必要な場面で検討されることが多いローンです。

一方で、担保に入れた不動産は無条件に保護されるわけではありません。返済が滞れば、最終的にその不動産を手放すことになる可能性があります。借りられるかどうかだけを基準に選ぶのではなく、無理なく返済し続けられるかという視点を持って検討することが欠かせません。

銀行とノンバンクの不動産担保ローンの違い

では、銀行とノンバンクでは具体的に何が違うのでしょうか。両者とも不動産を担保に資金を借りるという基本的な仕組みは同じですが、審査の視点、金利水準、融資が実行されるまでの日数、資金使途の広さ、担保評価の考え方など、実務レベルでは多くの違いがあります。まずは全体像を比較表で見てみましょう。

スクロールできます
比較項目銀行の不動産担保ローンノンバンクの不動産担保ローン
適用される法律銀行法貸金業法
金利低めになりやすい銀行より高めになりやすい
審査厳格になりやすい独自基準で柔軟に判断される場合がある
融資スピード2週間〜1カ月程度かかることがある数日〜2週間程度で進む場合がある
資金使途制限される場合がある比較的自由度が高い
担保評価保守的に見られやすい物件の状況に応じて柔軟に評価される場合がある
二番抵当難しい場合が多い相談できる場合がある
総量規制対象外個人への貸付けは原則対象(除外・例外あり)。法人への貸付けは対象外

つまり、金利の低さや金融機関としての安心感を重視するなら銀行、審査の柔軟性や資金調達までのスピード、担保不動産の評価の柔軟さを重視するならノンバンクが選択肢になりやすいといえます。

ただし、銀行はその分、審査が厳格になりやすい傾向があります。申込者の信用情報や収入、既存の借入状況に加えて、担保不動産の法令適合性なども細かく確認されるため、条件によっては希望どおりの融資を受けられないことがあります。

対するノンバンクの強みは、審査や担保評価の柔軟さ、融資実行までのスピード、資金使途の広さです。銀行で希望額に届かなかった場合や、担保評価の考え方が合わなかった場合でも、ノンバンクであれば相談の余地が残っていることがあります。

とはいえ、ノンバンクのほうが誰でも借りやすいという単純な話ではありません。ノンバンクも返済能力や担保価値を見極めたうえで融資を判断しており、審査そのものがなくなるわけではないのです。「審査が甘い」というより、「銀行とは違う基準で判断される」と捉えるほうが実態に近いでしょう。

ノンバンクの不動産担保ローンを利用するメリット

ここからは、銀行との違いを踏まえたうえで、ノンバンクを利用するメリットを見ていきます。とりわけ、銀行の審査に不安がある方、資金を急いで用意したい方、資金使途を制限されたくない方にとっては、ノンバンクが有力な選択肢になり得ます。

銀行とは異なる審査基準で判断される

ノンバンクの大きな特徴は、銀行とは異なる独自の視点で審査が行われることです。

銀行では、収入や決算内容、信用情報、既存の借入状況、担保不動産の法令適合性などが厳格に確認されます。法人や個人事業主であれば、赤字決算、創業間もない時期、税金の滞納、返済条件の見直し(リスケ)中といった事情があると、審査のハードルは一気に上がります。

これに対してノンバンクでは、申込者の属性だけでなく、担保不動産そのものの価値や資金使途、返済計画までを含めて総合的に判断することが少なくありません。銀行で一度断られた案件でも、見方を変えれば違う結果になることがあるのはこのためです。

とはいえ、返済のあてがまったくない状態で融資が下りるわけではありません。ノンバンクであっても、返済原資の有無、担保としての価値、契約条件に無理がないかは必ず確認されます。銀行より基準が緩いというより、見ているポイントそのものが異なると考えるほうが正確です。

融資までのスピードが早い傾向にある

不動産担保ローンは、無担保ローンに比べて審査に時間がかかりやすいという性質があります。担保となる不動産の調査や評価、登記情報の確認といった手続きが避けられないためです。

銀行の場合、申込者本人の審査に加えて保証会社の審査が入ることも多く、担保評価の手続きとあわせて融資実行まで2週間から1カ月ほど見ておく必要があります。

一方でノンバンクは、自社の基準にもとづいて社内で審査を完結させることが多く、銀行よりも早く結論が出やすい傾向にあります。金融機関によっては仮審査の回答が数日以内に届き、条件さえ整えば数日から2週間程度で融資実行まで進むケースもあります。

急な事業資金や納税資金、支払い期日が迫ったつなぎ資金など、時間的な余裕がない場面では、この融資スピードの差がそのまま選択の決め手になることも珍しくありません。

資金使途の自由度が高い

銀行の不動産担保ローンは、資金使途が限定されている商品が少なくありません。事業資金には使えない、投資目的は対象外、納税資金は不可といった条件が設けられていることもあります。

その点、ノンバンクの不動産担保ローンは資金使途の自由度が高い商品が多く、事業資金や設備投資、運転資金、借り換え、複数ローンのおまとめ、リフォーム費用、教育資金、相続関連の資金まで、幅広い用途で相談できることがあります。

とりわけ法人や個人事業主にとっては、使い道を細かく制限されにくい点が大きな利点です。売上入金までのつなぎ資金、仕入れ資金、納税資金、既存借入の整理など、事業の実情に合わせた借り方を組み立てやすくなります。

もっとも、ノンバンクの商品すべてで使途が自由というわけではありません。ビジネスローンは事業資金限定となっていることが多く、個人向け商品では投資目的や事業目的が対象外とされるケースもあります。申し込み前には、想定している資金使途がその商品の対象に含まれているかを必ず確認しておきましょう。

担保不動産を柔軟に評価してもらえる場合がある

銀行の担保評価は、総じて保守的な傾向にあります。築年数が古い物件、既存不適格建築物、建ぺい率や容積率など法令上の課題がある物件、借地権付き物件、共有名義の不動産、すでに抵当権が設定されている物件などは、金融機関によって取り扱いが難しくなる場合があります。

一方ノンバンクでは、こうした不動産についても独自の評価基準にもとづいて相談できることがあります。たとえば住宅ローンが残っている物件でも担保としての余力が確認できれば検討の余地が生まれますし、築年数が古い物件であっても立地や流通性を踏まえて評価されるケースもあります。

とはいえ、どんな不動産でも無条件に担保にできるわけではありません。担保価値が著しく低い場合や権利関係が複雑な場合、売却の見込みが立ちにくい場合には、ノンバンクであっても審査は厳しくなります。

それでも、銀行から「担保評価が出ない」と言われて選択肢がないように感じたときこそ、ノンバンクという別の物差しで相談してみる価値はあるはずです。

二番抵当でも相談できる場合がある

不動産担保ローンを組む際には、担保不動産に抵当権を設定します。この抵当権には順位があり、万が一返済が行き詰まって不動産を売却することになった場合、第一順位の抵当権者から優先的に回収が行われる仕組みです。

銀行の商品では第一順位の抵当権が条件となることも多く、すでに住宅ローンなどの抵当権が設定されている不動産を担保にするのは難しい場合があります。

これに対してノンバンクでは、第一順位に住宅ローンが残っていても、担保としての余力さえ確認できれば第二順位の抵当権で相談に乗ってもらえることがあります。不動産の評価額から住宅ローンの残高を差し引いた部分を、新たな担保余力として見てもらえる可能性があるということです。

住宅ローンを返済中の自宅や、すでに何らかの担保設定がされている不動産を有効に活用したいというとき、この柔軟性がそのまま選択肢の広がりにつながります。

ノンバンクの不動産担保ローンを利用するデメリット

メリットを理解したところで、次はデメリットにも目を向けておきましょう。ノンバンクの不動産担保ローンには、注意しておきたい点もいくつかあります。

銀行より金利が高めになりやすい

ノンバンクの不動産担保ローンは、銀行に比べて金利が高めに設定されやすいという特徴があります。

銀行は預金という形で比較的低コストの資金を調達できますが、ノンバンクは預金業務を行えません。金融機関や市場から資金を調達したうえで貸し出すことになるため、その調達コストや審査上のリスクが、そのまま金利に反映されやすくなるのです。

金利が上がれば、毎月の返済額はもちろん、最終的な総返済額も膨らみます。とりわけ借入額が大きい場合や返済期間が長期にわたる場合は、わずかな金利差が支払う利息の総額に大きく響いてきます。

だからこそ、ノンバンクを検討する際は「借りられるかどうか」だけでなく「返済し続けられるかどうか」を必ず確認しておきたいところです。金利の数字だけを見るのではなく、事務手数料や登記費用、印紙代、繰上返済手数料まで含めた総コストで比較する習慣をつけましょう。

総量規制の対象になる場合がある

ノンバンクは貸金業法の適用を受けるため、個人の借り入れには総量規制というルールが関わってきます。

総量規制とは、個人が貸金業者から借り入れできる金額を、原則として年収の3分の1までに制限する仕組みです。借りすぎによる多重債務を防ぐことを目的に設けられています。

不動産担保ローンでは、契約者や担保とする不動産、資金使途によって総量規制の扱いが異なります。たとえば、個人顧客本人や担保提供者の居宅等を除く不動産を担保とした貸付けは、総量規制の「除外貸付け」に該当します。また、個人事業者への事業資金の貸付けについては、事業・収支・資金計画などから返済能力が認められる場合、「例外貸付け」として年収の3分の1を超えて借り入れできる場合があります。なお、法人向けの貸付けには総量規制は適用されません。

一方、個人が自宅を担保に生活資金などを借りようとする場合は、総量規制の対象となる可能性があるため注意が必要です。この場合、担保となる不動産の価値が十分にあったとしても、年収や既存の借入状況によっては希望する金額を借りられないことがあります。

総量規制の扱いは担保物件や資金使途によってケースバイケースです。個人でノンバンクの不動産担保ローンを検討する場合は、自分のケースがどちらに当てはまるのか、申し込み前に確認しておくことをおすすめします。

返済が滞ると不動産を失うリスクがある

不動産担保ローンは、不動産という資産を担保にすることでまとまった資金を借りやすくなる仕組みです。裏を返せば、返済が滞れば担保にした不動産を失うリスクを常に抱えることになります。これは銀行であってもノンバンクであっても変わりません。

自宅を担保にしていれば、返済が続けられなくなったときに住まいそのものを失う可能性があります。事業用不動産を担保にしている場合も、事業の継続に欠かせない資産を手放す事態になりかねません。

だからこそ、不動産担保ローンを検討する際は、いくら借りられるかという担保価値の話に目を奪われすぎず、返済原資をどれだけ明確に描けるかが重要になります。事業資金であれば売上や入金予定から無理なく返せるか、借り換えであれば毎月の返済負担が実際に軽くなるのか、納税資金であればその後の資金繰りに支障が出ないか。借りる前に、こうした一つひとつを具体的に確認しておく必要があります。

すべてのノンバンクが信頼できるとは限らない

正規のノンバンクは貸金業登録を受け、貸金業法をはじめとする規制のもとで営業しています。しかしその一方で、無登録のまま営業する業者や、違法な貸付を行う業者が紛れ込んでいるのも事実です。

「誰でも借りられる」「ブラックでも必ず融資」「審査なし」「即日高額融資」といった、都合のよすぎる言葉を前面に出している業者には注意が必要です。正規の金融機関であれば、返済能力や担保価値を確認する審査を省略することはありません。

信頼できる業者かどうかを見極めるには、まず貸金業登録の有無を確認することが第一歩です。登録番号や会社概要、所在地、問い合わせ先、貸付条件、手数料、返済方法といった情報が、公式サイト上に明確に示されているかどうかもあわせてチェックしましょう。

不動産担保ローンは金額が大きく、契約期間も長期にわたることが多いローンです。聞き慣れない業者に急いで申し込むのではなく、登録状況や実績を確認したうえで、時間をかけて慎重に判断することをおすすめします。

ノンバンクの不動産担保ローンが向いている人

ここまでのメリット・デメリットを踏まえると、ノンバンクの不動産担保ローンが向いているのはどんな人なのでしょうか。

まず前提として、ノンバンクの不動産担保ローンは銀行より常に優れた選択肢というわけではありません。金利を最優先するなら、審査に時間がかかっても銀行を選んだほうがよい場合もあります。ただ、状況によってはノンバンクのほうが現実的な答えになることも確かです。

銀行の審査に通らなかった方や、希望していた金額に届かなかった方は、ノンバンクに相談してみる価値があります。銀行では厳しく見られてしまう不動産や資金使途であっても、異なる基準で判断されることがあるからです。

資金を急いで用意する必要がある方にも、ノンバンクは向いています。支払い期日が迫っていて銀行の審査スピードでは間に合わないというとき、ノンバンクの機動力が助けになる場面は少なくありません。

法人や個人事業主が事業資金を必要とする場合にも、ノンバンクは選択肢になりやすいといえます。運転資金、設備投資、仕入れ資金、納税資金、既存借入の整理といった事業の資金ニーズはタイミングがすべてであることも多く、資金使途の自由度が高いノンバンクなら、そのときどきの状況に応じた相談がしやすくなります。

さらに、住宅ローンを返済中の自宅、築年数の古い物件、二番抵当、共有名義の不動産など、条件によっては銀行での取り扱いが難しいケースでも、ノンバンクであれば相談できる場合があります。

一方で、返済の見通しがまったく立っていない方や、借り入れによって支払いを一時的に先送りするだけになってしまう方には、そもそも不動産担保ローンという手段自体が向いていません。まとまった資金を借りられる分、返済できなければ不動産を失うリスクを背負うことになります。借りる前に、具体的な返済計画を描けているかどうかが何より大切な前提条件です。

銀行で断られた場合に確認したいポイント

向いている人の特徴として「銀行の審査に通らなかった方」を挙げましたが、実際に断られてしまったときは何から始めればよいのでしょうか。すぐに資金調達をあきらめる必要はありません。まず取り組みたいのは、なぜ断られたのか、その理由を自分なりに整理してみることです。

断られた理由が申込者自身の返済能力にあるのか、担保不動産の評価にあるのか、それとも資金使途にあるのかによって、次に取るべき行動は変わってきます。

収入や決算内容がネックになって断られた場合は、返済原資をきちんと説明できる資料を用意しておくと話が進みやすくなります。法人であれば、直近の試算表や資金繰り表、受注状況、入金予定などをあらかじめ整理しておくことで、ノンバンクに相談する際の説得力が大きく変わってきます。

担保評価が理由で希望額に届かなかった場合は、別の金融機関で評価を受け直すことで結果が変わる可能性があります。不動産の評価方法は金融機関ごとに異なるため、ある銀行での評価が低かったからといって、他の金融機関でも同じ結果になるとは限りません。

資金使途が理由で断られたケースでも、ノンバンクであれば相談できることがあります。事業資金や納税資金、開業資金などを銀行では対象外としていても、ノンバンクには幅広い用途に対応した商品があるためです。

ただし、返済原資がまったく見込めない場合や、担保不動産の権利関係に大きな問題を抱えている場合は、ノンバンクであっても審査は難しくなります。そうしたケースでは、借り入れ以外の方法も視野に入れて検討する必要があるでしょう。

ノンバンクでも審査に通らないケース

一方で、ノンバンクであれば必ず借りられるというわけでもありません。ノンバンクは銀行より柔軟に対応してくれることがある一方で、実際には審査に通らないケースも一定数存在します。

まず、返済能力が著しく不足していると判断される場合は、担保となる不動産があっても融資は難しくなります。最終的に不動産を売却すれば回収できる可能性があるとしても、金融機関はあくまで毎月の返済による回収を前提に審査を行うためです。返済を継続できる見込みが立たなければ、審査は通りにくくなります。

担保不動産の評価額が借入希望額に対して不足しているケースも、希望通りの融資にはつながりにくくなります。不動産担保ローンでは評価額の全額を借りられるわけではなく、評価額に一定の掛け目をかけた金額が融資可能額の目安となるためです。

権利関係が複雑な不動産にも注意が必要です。共有者から同意が得られない、相続登記が済んでいない、借地権や底地をめぐる権利関係が整理されていない、差し押さえが入っているといった状況では、審査そのものが難航しがちです。

さらに、資金使途や返済計画の説明が不十分な場合も審査に影響します。とりわけ事業資金では、「何にいくら使うのか」「どうやって返済していくのか」を具体的に説明できないと、融資の判断材料が不足してしまいます。

ノンバンクの不動産担保ローンを検討する際は、担保不動産の情報、既存の借入状況、収入状況、資金使途、返済計画をあらかじめ整理しておくと、審査もスムーズに進みやすくなります。

信頼できるノンバンクを選ぶポイント

審査の話とあわせて、業者選びそのものにも慎重さが求められます。ノンバンクの不動産担保ローンを利用する際は、金利や融資スピードだけに目を向けるのではなく、業者そのものの信頼性を確認することが欠かせません。

最初に確認すべきは、貸金業登録の有無です。正規の貸金業者は財務局または都道府県への登録が義務づけられています。公式サイトに登録番号が明記されているか、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで実際に検索できるかを確認しておきましょう。

次に見ておきたいのが、貸付条件がどれだけ明確に開示されているかです。金利、実質年率、融資可能額、返済期間、返済方式、遅延損害金、事務手数料、繰上返済手数料といった情報を、わかりやすく提示している会社を選びたいところです。

会社情報の透明性も判断材料になります。会社名、所在地、代表者、設立年、資本金、グループ会社、加盟団体、問い合わせ窓口などがきちんと記載されているか。上場していること、大手グループの一員であること、長年の融資実績があることは、いずれも信頼性を測るうえでのひとつの目安になります。

返済シミュレーションが用意されているか、相談体制が整っているかも確認しておきたいポイントです。不動産担保ローンは金額も大きく契約期間も長くなりやすいため、借りる前に返済額や総返済額を具体的にイメージできるかどうかが重要になります。問い合わせた際に、契約内容やリスクについてどれだけ丁寧に説明してくれるかも、その会社を見極める材料になるでしょう。

反対に、「必ず借りられる」「審査なし」「どんな人でも融資可能」といった言葉を前面に押し出している業者は避けたほうが賢明です。正規の金融機関である以上、審査を省略することはありません。甘い言葉で申し込みを急かしてくる業者には、一歩引いて向き合いましょう。

金利だけでなく総返済額で比較する

業者の信頼性を確認できたら、次は具体的な条件の比較です。不動産担保ローンを比較する際、多くの方がまず金利の数字に目を向けます。もちろん金利は重要な判断材料ですが、それだけを基準にすると、実際の負担を見誤ってしまうことがあります。

ローンには金利以外にもさまざまな費用がかかります。事務手数料、印紙代、登記費用、司法書士報酬、繰上返済手数料などがその代表例で、金融機関によっては保証料や解約手数料が発生することもあります。

金利が低くても事務手数料が高ければ、あるいは早期に返済したときの手数料が大きければ、総コストは想定していたよりも膨らむことがあります。逆に、金利がやや高めであっても、返済期間が短く手数料が抑えられていれば、総返済額としては大差がつかないというケースも珍しくありません。

とりわけ短期間での返済を予定している場合は、繰上返済手数料や解約手数料を事前に確認しておく必要があります。事業資金のつなぎとして一時的に借りるようなケースでは、早期返済時の条件がそのまま総コストを左右するといっても過言ではありません。

比較する際は、金利だけでなく、月々の返済額、諸手数料、総返済額、返済期間、そして早期返済のしやすさまでをあわせて確認する視点を持っておきましょう。

よくある質問

最後に、ノンバンクの不動産担保ローンについてよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。

ノンバンクの不動産担保ローンは危険ですか?

正規に貸金業登録を受けたノンバンクは、貸金業法にもとづいて融資を行う貸金業者です。そのため、ノンバンクであること自体が危険というわけではありません。注意すべきは、無登録のまま営業する業者や違法な貸付を行う業者の存在です。利用前には、貸金業登録の有無、会社情報、貸付条件、手数料、返済方法をひととおり確認しておきましょう。

ノンバンクの不動産担保ローンは審査が甘いですか?

「甘い」というより「基準が違う」というのが実態に近い表現です。ノンバンクは銀行とは異なる視点で審査を行うため、銀行で断られた案件でも相談できる可能性はあります。ただし、返済能力や担保価値、資金使途、既存借入、信用情報といった項目はノンバンクでも確認されます。返済の見通しが立たない場合や担保価値が不足している場合は、ノンバンクであっても審査を通過できないことがあります。

個人でもノンバンクの不動産担保ローンを利用できますか?

個人向けの商品も用意されています。ただし、ノンバンクは貸金業法の適用を受けるため、個人の借り入れには総量規制が関わってくる点に注意が必要です。自宅を担保に生活資金を借りるようなケースでは、年収や既存借入の状況によって借入可能額が制限されることがあります。一方で、事業資金としての借り入れや、自宅以外の不動産を担保にするケースでは、総量規制の除外・例外にあたることもあります。

法人や個人事業主でも利用できますか?

法人・個人事業主向けの不動産担保ローンを取り扱うノンバンクもあります。運転資金、設備投資、納税資金、仕入れ資金、既存借入の借り換えなど、事業資金として利用できる商品もあります。申し込みの際には、決算書、確定申告書、納税証明書、資金使途を説明する資料、担保不動産に関する資料などの提出を求められることが一般的です。

住宅ローン返済中でも利用できますか?

住宅ローンを返済中の不動産であっても、担保としての余力が確認できれば相談できることがあります。不動産の評価額に対して住宅ローンの残高が少なければ、その差額分を第二順位の抵当権で担保に入れられる可能性があるためです。ただし、担保評価額、住宅ローンの残高、これまでの返済状況、申込者の収入によって結果は変わるため、必ず利用できるとは限りません。

二番抵当でも借りられますか?

ノンバンクでは二番抵当でも相談できることがあります。銀行が第一順位の抵当権を条件とすることが多いのに対し、二番抵当への柔軟な対応はノンバンクならではの特徴のひとつといえます。ただし、第一順位の借入残高が大きく担保余力がほとんど残っていない場合は、融資が難しくなります。まずは不動産の評価額と既存の借入残高を確認するところから始めましょう。

銀行で断られてもノンバンクなら借りられますか?

銀行で断られた場合でも、ノンバンクであれば相談できる可能性はあります。審査基準や担保評価の考え方が銀行とは異なるためです。ただし、必ず借りられると約束されているわけではありません。返済能力や担保価値に大きな問題があれば、ノンバンクでも審査は難航します。銀行に断られた理由をきちんと整理したうえで相談することが、結果につながる近道です。

ノンバンクの不動産担保ローンは総量規制の対象ですか?

ノンバンクなどの貸金業者から個人が借り入れる場合は、原則として総量規制の対象です。ただし、不動産担保ローンでは、個人顧客本人や担保提供者の居宅等を除く不動産を担保とする貸付けが「除外貸付け」に該当します。また、個人事業者への事業資金の貸付けも、事業・収支・資金計画などから返済能力が認められる場合には「例外貸付け」として年収の3分の1を超えて借り入れできる場合があります。法人向けの貸付けは総量規制の対象外です。

ノンバンクと銀行の違いを理解して、自分に合った不動産担保ローンを選ぼう

ここまで、銀行とノンバンクの不動産担保ローンについて、違いからメリット・デメリット、向いている人、注意点まで見てきました。両者のどちらが正解ということはなく、大切なのは自分の状況に合わせて選ぶことです。

金利を重視でき、審査に時間をかける余裕があるなら、銀行が向いているでしょう。一方で、銀行では審査が難しい事情を抱えている場合、資金を急いで用意したい場合、資金使途の自由度を重視したい場合、担保不動産を柔軟に評価してほしい場合には、ノンバンクという選択肢が現実味を帯びてきます。

大切なのは、金利の高い低いだけで判断しないことです。審査基準、融資スピード、資金使途、担保評価、総量規制、そして総返済額まで含めて総合的に比較する視点を持つことが、後悔のない資金調達につながります。

ノンバンクの不動産担保ローンは、銀行で希望に合う条件が見つからない場合の選択肢になることがあります。ただし、返済が滞れば担保不動産を失うリスクがあることに変わりはありません。借り入れを決める前に、無理のない返済計画をどれだけ具体的に描けるかが、最終的な安心につながります。

セゾンファンデックスでは、不動産を活用した資金調達について、個人のお客さま、法人・個人事業主のお客さまからの相談を受け付けています。銀行で希望に合う条件が見つからない場合や、所有不動産を活用した資金調達を検討している場合は、選択肢のひとつとして確認してみるとよいでしょう。

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