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定年後再雇用で働いても給与が下がる中、老後資金をどう準備したらよいですか?

ご質問内容
60歳で定年した後も再雇用で働く予定です。現在より給与が下がる見込みの中で、老後資金をどのように準備すればよいでしょうか。
年齢:55歳
職業:会社員
世帯年収:600万円
専門家の回答
70歳までの雇用が努力義務化された現在でも、60歳を定年と定めている企業は6~7割と過半数を超えており、定年以降は雇用形態が変わり減収が見込まれます。
参考:厚生労働省の令和5年「高年齢者雇用状況等報告」
厚生労働省の令和5年「賃金構造基本統計調査の概況」によると、60~64歳の平均賃金は、男性で334.2万円(60歳前の78%)、女性で246.6万円(60歳前の88%)となっています。
定年後に給与が2割程度は下がる中で、老後(リタイア後)資金を準備する方法を詳しくご紹介します。
1.総収入を増やす
副業で収入を得られれば、本業の給与が下がってもある程度補えることもあるでしょう。定年前までやってきた仕事の知識や人間関係を活かして起業することもできるかもしれません。
また、会社員は70歳まで働ける可能性は高まっているので、できるだけ長く働くことで生涯の就労所得を増やせます。
2.支出を減らす
老後資金を貯める目的での支出削減も大切ですが、年金収入のみになるリタイア後を想定して生活の規模を徐々に縮小していくことも重要です。
固定費(毎月ほぼ定額でかかる費用)の見直しが手を付けやすいでしょう。固定費には、水道光熱費、通信費、保険料、サブスクリプションサービス料、自動車維持費などがあります。
例えば、保険の保障で過剰部分の削減、携帯電話やインターネット会社の契約変更、一定の年齢になったら自動車を手放す、などで各費用を減らせることがあります。
3.資産運用をする
持っている資産にも働いてもらうと、資産寿命が延ばせる可能性があります。退職金があれば、NISAの非課税口座などで運用をするのもよいでしょう。
ただし、値動きのある金融商品はリスクがあり、リタイア後は運用の損失を取り戻すことがより困難なので、手数料の安い投資信託などへ分散投資をしてリスクを抑えながら、健康寿命の75歳くらいまでに安全資産に切り替えていくとよいでしょう。
また、公的年金は一般的に65歳で受給しますが、受け取るタイミングを遅らせると年金額が増額され、その増額率(1月ごとに+0.7%)は生涯有効です。余裕があれば年金の受給を遅らせることも、一種の年金運用でしょう。
4.不動産の活用
もし自宅をお持ちであれば、リースバックも選択肢の1つです。リースバックとは、自宅を売却して現金化し、売却後も住み続けられるサービスです。
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売却によってまとまった資金が受け取れるため、老後資金にもお使いいただけます。

相談者様の老後資金への不安が和らぎ、これらの方法に着手できることを願っています。