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退職金の上手な使い方を教えてください

ご質問内容
長年勤めている会社が60歳で定年です。定年で仕事を辞めて専業主婦の妻とのんびり暮らしたいですが、生活していけるか不安です。
どのような条件を満たせば60歳でリタイアできますか?
年齢:58歳
職業:会社員
世帯年収:500万円
専門家の回答
退職金の使い道を考える前に、定年退職までにどれくらい貯蓄が準備できているかを確認しましょう。なぜなら、公的年金だけでは老後の最低日常生活費さえまかなえず、貯蓄が底をついてしまうおそれがあるからです。
できれば定年退職が近づいてきたら、退職金の使い道も含めて改めてライフプランを作成しましょう。私はこれを「セカンドライフプラン」と呼んでいます。
例えば、厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険に加入していた方の平均年金月額は約14.4万円、国民年金の加入者で約5.6万円です。あくまでも平均値に過ぎませんが、夫婦のどちらかがお勤めでどちらかが専業主婦(夫)の世帯の場合、夫婦合計で約20万円の年金が受け取れることになります。
一方、生命保険文化センター「生活保障に関する調査/2022(令和4)年度」によると、老後の夫婦の最低日常生活費は23.2万円です。
したがって公的年金だけで老後必要最低限の生活費をまかなおうとすると、毎月約3.2万円が不足します。仮にこの生活が25年続くとすると、25年×12ヶ月×3.2万円=960万円を貯蓄で用意しておかなければならない計算です。
自身で老後の生活をイメージしてみて、必要最低限の生活費だけで貯蓄が底をつく可能性があるときは、退職金の一部を生活費として貯蓄しておかなければなりません。
これらを踏まえたうえで、残った退職金の上手な使い方を紹介します。
残った退職金の上手な使い方
住宅ローンの返済
定年退職後に住宅ローンの返済が続きそうなときは、退職金で繰上げ返済をする方法もあります。ただし全額返済していいかどうかは、しっかり返済計画を立てたうえで検討してください。
資産運用
株式や債券、投資信託といった金融商品で運用する方法です。定年退職後は、公的年金の上乗せ収入を作るために、株式の配当金・債券の利息・投資信託の分配金といった、インカムゲイン狙いの資産運用のほうがいいかもしれません。インカムゲインとは資産を保有することで得られる利益のことです。
さらにNISA口座で運用すれば、資産運用による運用益に税金がかかりません。
ただしこうした金融商品のインカムゲインは、運用結果によっては支払われない場合もあるため注意が必要です。
ゆとりある生活に備える
先に紹介した老後の生活費は、あくまでも必要最低限の生活費に過ぎません。
自宅のリフォームや、多少の旅行や趣味などのゆとり資金として、退職金を確保しておきましょう。また高齢になるほど医療費がかかる可能性が高いため、医療費もできれば準備しておきたいところです。
繰下げ受給までの生活費
年金の受取時期を遅らせることで、増額した年金を受け取ることを繰下げ受給と言います。受給を1ヶ月遅らせるごとに年金額が0.7%増額しますが、受給開始まで公的年金による収入がなくなるため、生活費を確保しなければなりません。このときに退職金が役立ちます。
次に、退職金の使い道としてやってはいけない方法も紹介します。
退職金の使い道としてやってはいけない方法
大きな買い物をする
老後は趣味を楽しみたいので高価な楽器を購入した、定年退職まで頑張って働いたごほうびとして、海外旅行に使ってしまったなど、まとまったお金が入るとつい大きな買い物をしてしまいがちです。
大きな買い物は、セカンドライフプランを立てて、老後資金に余裕があることを確認したうえで検討してください。リフォームや住宅ローンの繰上げ返済も、無計画に行った場合はここに含まれます。
資産運用:1つの商品で運用する
投資や債券といった金融商品で運用する場合、1つの商品で運用するのは避けましょう。まとまったお金があると、配当金や分配金の利回りが高い、今後大きな値動きが期待できるなどの理由で1つの商品に多額の投資をしてしまいがちなので注意してください。
金融商品は預貯金など一部を除いて、元本割れリスクがゼロではありません。元本割れリスクを抑えるために、複数の値動きの特徴が異なる金融商品を併せ持つ、分散投資を心がけましょう。
資産運用:ハイリスクな商品で資産運用する
FXやCFD取引、信用取引といった金融商品はレバレッジという仕組みを使うことで、少額でも大きなリターンを狙うことができます。
しかし少額でも大きな損失が発生し、退職金がなくなってしまうかもしれません。
また暗号資産も、値動きが荒いため相場次第では大きな損失を被る可能性があります。少額でも、こうしたハイリスクな商品に退職金を使って投資をするのは控えましょう。
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夫婦で退職金の使い方や、老後のライフプランをしっかり話し合い、充実した老後生活をお過ごしください!