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定年後の働き方は再就職と再雇用のどちらがいい?自身に合った方法を考える
ご質問内容
定年退職が近づいているので、老後の生活費を計算してみたところ、今さらながら毎月家計が赤字で貯蓄を取り崩しながらの生活になることに気が付きました。
貯蓄が底をついてしまうことを考えると不安なので定年退職後も引き続き働こうかと思っていますが、今の職場で引き続き働くか新しい職場で働くか迷っています。これまで仕事一筋で頑張ってきたので、できればこれからは仕事で無理をしたくもありません。
定年後の働き方を考えるうえでのポイントを教えてください。
年齢:56歳
職業:会社員
世帯年収:700万円
専門家の回答
定年退職後、生活費が毎月どれくらい不足するかで選択すべき働き方も変わってきます。定年退職後の働き方として考えられる選択肢は、主に再就職、再雇用、起業の3つです。
それぞれのメリット・デメリットについて考えてみましょう。
1.再就職
再就職とは、退職前とは異なる職場で働くことです。これまでとは異なる分野に挑戦できる、心機一転して働けるといったメリットがありますが、一から新しい仕事を覚えなければなりません。
再就職先が厚生年金保険の適用事業所であれば70歳まで厚生年金に加入できます。厚生年金保険に加入できれば、安定した収入に加えて定年退職後の公的年金額を増やすことも可能です。
公的年金額だけでは、毎月貯蓄を大きく取り崩してしまう方や、働けるうちは働いて、ゆとりある老後を送りたい方は、厚生年金保険の適用事業所となっている職場への再就職がおすすめです。
老後の生活費がある程度準備できていて、老後の公的年金に少し上乗せできれば良いという方は、無理のない範囲でアルバイトをするという選択肢もあります。
2.再雇用
これまでの在籍していた職場を一度退職し新たな雇用契約を交わしたうえで、再度同じ職場で働き続ける働き方です。再雇用も要件を満たせば厚生年金保険に加入できます。さらに再雇用の場合は、新たに職場を探す必要がないというメリットもあります。
しかし再雇用後の労働条件、賃金などでトラブルになるケースも少なくありません。
再雇用は、ある程度労働条件や賃金が下がっても、問題なく老後生活が送れる方に向いています。
3.起業
再雇用、再就職ではなく、起業をするという選択肢もあります。
これまでのキャリアのなかで人脈や経験を培ってきた方であれば、定年後に起業をしても有利な状況で事業をスタートできるでしょう。
しかし起業は、やり方や自身の働き方次第で大きく収入を増やせますが、失敗して、これまでの貯蓄を失ってしまうリスクもあります。今回紹介した3つの選択肢のなかでも、特に慎重に検討してください。
そのほかの選択肢は?
資産運用も検討
2024年から始まった新しいNISAは、投資の利益に税金がかからないメリットが一定額まで永久に利用できます。退職金の一部を株式投資や投資信託で運用しながら、配当金・分配金といったインカムゲインを公的年金の上乗せ収入とすることも検討してみましょう。
ただし、NISAの対象商品は元本割れリスクもある点に留意してください。また配当金や分配金は、運用状況によっては支払われない場合があります。
リースバックの活用
もし自宅をお持ちであれば、リースバックも選択肢の1つです。現在自宅をお持ちならその自宅を売却して現金化し、売却後も住み続けれらるサービスです。
「セゾンのリースバック」は、ご自宅をセゾンファンデックスが直接買い取り、ご自身は賃貸としてそのまま住み続けることができます。
売却によってまとまった資金が受け取れるうえ、住居が変わるわけではないため引越し代もかかりません。
ご自分に合った方法で老後の生活費を確保しながら、セカンドライフを楽しみましょう!