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バイトを掛け持ちしている場合の社会保険はどうすればいい?
ご質問
現在、平日はカフェ勤務で、土・日・祝日に結婚式場のスタッフとしてアルバイトを掛け持ちしています。カフェの職場では社会保険に加入しているのですが、結婚式場の職場からも社会保険加入を勧められました。2つの社会保険に入ることはできるのでしょうか?2つも社会保険に入ると手取りが減るので、できれば結婚式場では入りたくないのですがどうすればよいでしょうか。
年齢:20代
未既婚:未婚
職業:アルバイト
ペンネーム:ひまわり
専門家の回答
収入を増やすために休日もアルバイトをしているのに、社会保険加入で手取りが減るのには抵抗がありますね。実際に2つの勤務先で社会保険に加入することはできるのでしょうか。
結論から言うと社会保険の二重加入は可能で、社会保険の加入条件を満たす人は加入しなければならないのです。
社会保険(健康保険・厚生年金保険)は、フルタイムで働く人は加入しなければなりません。また、週の所定労働時間および月の所定労働日数がフルタイムの4分の3以上の人は正社員でなくても、社会保険の加入対象となります。
ひまわりさんがアルバイトでもカフェで社会保険に加入しているのは、労働時間や労働日数が条件に該当しているからと考えられます。
さらに、勤務先の従業員数が101人以上の場合、以下のすべてを満たす人は社会保険の加入対象です。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が88,000円以上
- 2ヵ月を超える雇用の見込みがある
- 学生以外
ひまわりさんの労働条件が上記の条件を満たす場合、結婚式場がメインでないアルバイト先だとしても社会保険に加入しなければなりません。
なお、2024年10月からは適用対象事業所の従業員数の要件が100人以上から50人以上に適用拡大されます。
2つの勤務先で社会保険に加入する場合、ひまわりさんご自身でメインとなる勤務先を選択する手続きをしなければなりません。通常は本業に相当する勤務先(ひまわりさんの場合はカフェ)を選びます。
勤務先の所在地を管轄する日本年金機構の事務センターまたは健康保険組合へ「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」をご自分で提出します。
その際に結婚式場の会社で社会保険に加入するための「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」の提出をされていることが前提となります。この手続きは結婚式場の会社側が行います。二重加入になる場合、両方の勤務先にその旨を伝えておくようにしましょう。
届け出をもとに2つの勤務先の収入の合計から、社会保険料が計算されます。
ただし、二重に加入するとその分支払う社会保険料が増えます。二重加入によって将来もらえる年金の額は増える点も知っておく必要はありますが、手取りが減ることも事実です。
たとえば、結婚式場の月給が9万円だったとします。この月給に対応する社会保険料は約1万2,000円です(協会けんぽ東京都2023年保険料より)。社会保険に加入すると、毎月1万円以上手取りが少なくなるわけです。
検討した結果、結婚式場では社会保険に加入したくないのであれば、年収を106万円(月収88,000円)未満に抑えるようにします。会社側に事情を説明し、シフト調整などの協力をお願いするとよいでしょう。