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老人ホームの入居を検討したいので、入居条件や費用を教えて
ご質問内容
2人の子どもも独立し、亡くなった夫と築いた家で一人暮らしをしてきましたが、最近は身体の衰えとともに日常生活に不安を感じています。老人ホームに入ることを検討したいのですが、入居条件や費用などを教えてください。
年齢:70代
職業:無職
世帯年収:200万円
ペンネーム:K子
専門家の回答
K子さんは、現在70代で1人暮らし、年収200万円ですので、まずは公的な介護保険サービスの利用を検討するとよいでしょう。
介護保険の認定を受けると、ケアマネージャーがその人に合ったケアプランを無料で作成してくれます。収入に応じた費用負担で、日常生活のサポートをホームヘルパーから受けられるようになり、デイサービスや訪問介護サービスなどの利用もできます。
ただし、公的施設の入所は要介護3以上が要件になるので、現状からすると民間の介護付き有料老人ホームから検討を始めるのが現実的かもしれません。
老人ホームの入居条件は主に4つです。
1.年齢
多くの施設が介護保険の第一号被保険者となる65歳以上としています。
2.要介護度
公的施設(特別養護老人ホーム)は要介護3以上。
民間施設(介護付き有料老人ホーム)は施設によりますが比較的柔軟に対応。
3.医療的なケアの必要性
介護施設は病院ではないため、常に医療的なケアを受けるのは難しいかもしれません。
医療依存度が高いと施設内に病院などが併設していないと入居が困難なことや、入居中に健康状態が悪化して日常的に医療ケアが必要になった際に施設によっては居続けることができなくなるいことがあります。
4.保証人・身元引受人
利用料の支払いや緊急時の対応などが滞りなく行えるように保証人・身元引受人が必要です。一般的には家族がつとめますが、民間の身元引受人代行業者を利用できることもあります。
■公的施設と民間施設
K子さんは、一人暮らしに不安を感じているため、いざというときに介護をしてくれる人がそばにいる施設がよいでしょう。では、どのような施設があるのでしょうか。
介護が必要な人が入居できる老人ホームは、地方自治体が運営している公的施設(特別養護老人ホーム)と民間会社が経営する民間施設(介護付き有料老人ホーム)の2種類あります。
公的施設は入居一時金が不要で月額費用は入居者の所得に応じた負担になります。自治体にもよりますが、介護度が高い人(要介護3以上)が優先的に入居できるとされています。
そのため、所得が少なく介護度が高い人ほど、公的施設の存在価値は高いといえます。部屋は個室以外にも多床室もあります。
一方、民間施設は経営母体によりさまざまですが、介護度が高くなくても入居できることが多くあります。費用は所得にかかわらず一律で、個室が多いのも特徴です。入居一時金がかかることもあり、入居一時金を払わずに月額費用を多めに払うことを選択できることもあります。
K子さんは、ある程度元気なうちに老人ホームを探すなら、民間施設(介護付き有料老人ホーム)が該当するでしょう。
■費用の相場
介護付き有料老人ホームは地域や施設によって千差万別ですが、民間施設の中でも介護付きなので高額になることもあります。
例えば東京都では、入居一時金は1千万円程度から数千万円、月額費用は29万円程度、一時入居時金を支払わない場合は30万円~50万円以上となっています。
年金だけでは支払いは難しいので、貯蓄を取り崩して支払う場合の予算を立てた上で、老人ホームの検索サイトなどから条件に見合う施設を探してみましょう。
■貯蓄が少ない場合は
費用を見積もる際に、仮に90歳まで生きると仮定すると、健康寿命といわれる75歳からは15年あります。貯蓄が少なく15年ももたない、一時入居金が払えないなどの場合は、他に活用できる資産はないか確認してみましょう。
例えば今お住まいの土地・家屋などをお持ちなら、施設に入ると必要なくなるので、子どもに残す気がなければ売却や賃貸を検討してみてもよいでしょう。